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2002 年度 実績報告書

天然ゼオライトに学んだ,細孔構造を有するアンチモン硫化物の合成

研究課題

研究課題/領域番号 14654091
研究機関東京大学

研究代表者

杉山 和正  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40196762)

キーワードアンチモン硫化物 / 単結晶構造解析 / ゼオライト / 水熱合成 / 硫塩鉱物 / andohrite
研究概要

ゼオライトは,ホストの構造を破壊することなく細孔に存在する陽イオンおよび水分子を自在に交換できる優れた材料特性を示す天然鉱物である.一般に,ゼオライト細孔構造は,結合性の強い約1nmほどの珪酸塩構造単位(SBU)が高次配列することによって形成されると考えられているが,本研究申請者は,天然複雑硫塩鉱物中に申請者自らその存在を確認したアンチモン系硫化物SBUも,ゼオライト類似の細孔構造を形成する可能性がある点に着目した.
本年度は,ピラミッド型SbS_3クラスターが頂点共有する鎖状構造(SBU)を基本としている天然鉱物andohriteシリーズ鉱物群の解析を中心に行った.Romania, Mures, Baita鉱山産ramdohrite(n=2;P2_1/n,a=19.338(1),b=12.735(1),c=8.745(1)Å,β=90.03(1)°)、およびBolivia, San Jose, Orura鉱山産quatrandohite(n=4;P2_1/c,a=19.169(2),b=17.160(3),c=13.042(2)Å,β=90.01(1)°)の解析を行い,天然andohriteに共通なSbS_3構造要素とSBU構造単位としてのSb_8S_<16> chainの存在を確認することができた.
また,有機鋳型物質を添加した水熱合成によってSbS_3構造要素から構成される,新規なマイクロポーラスアンチモン化合物の合成も行った.本年度の系統的実験から,(1)目的とする新規化合物はNa_2SおよびH_2Sなどを合成系に添加した,Sb_2S_3組成よりSが過剰な場合のみに選択的に合成できること(2)1,2-aminoethylpiperadine1,4-diaminobutaneおよびethylenediamineなど,立体的にほぼ同じおおきさの2価の有機アミン鋳型の存在で,類似の骨格構造を有するアンチモン硫化物鎖状構造が育成できること,が明確になった.来年度は,さらに系統的なソルボサーマル法を駆使して,アンチモン系硫化物SBUを高次配列した新奇な硫化物ゼオライト類似鉱物を合成するし,その構造形成原理を解明する予定である.

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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