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2002 年度 実績報告書

飽和炭素骨格上の任意の位置の炭素原子の同位体比を測定するための基礎的技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14654094
研究機関北海道大学

研究代表者

中塚 武  北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (60242880)

キーワード炭素同位体比 / 有機分子 / 熱分解元素分析計 / 分子内同位体比
研究概要

本研究の目的は、近年開発された「熱分解型の前処理装置」を備えた軽元素の同位体質量分析計において、熱分解により発生する一酸化炭素分子(CO分子)が、元々の試料有機化合物の中に含まれる水酸基(OH基)などの含酸素官能基のみに由来する、という特徴に着目した、新しい分子内同位体比分布の測定法の開発である。つまり、発生するCO分子の炭素同位体比を測定することで、有機分子中の特定の位置(この場合はOH基の結合した部位)の炭素同位体比が測定できる可能性がある。飽和炭素骨格上の任意の炭素原子を測定対象とするためには、飽和炭素の任意の位置にOH基を導入して、それを熱分解-同位体比質量分析計に供することが必要であるが、今年度は、まずその準備として、既に分子内にOH基が存在している分子の炭素同位体比を、実際に同装置で測定し、その同位体比と旧来の「燃焼型の前処理装置」を備えた質量分析計で測定した炭素同位体比(これは、分子内の全炭素の同位体比の平均値に相当する)とを比べることで、分子内炭素同位体比の測定の可能性を検討した。測定に用いた分子は、セルロースである。セルロースの炭素の多くは、OH基と結合しているが、セルロース中の酸素原子に対して、炭素原子は、1つ余分に存在しており、この差が両方法による炭素同位体比の測定の差となって現れることが予想できた。2つの方法によって測定されたセルロースの炭素同位体比は、互いに高い正の相関を持つものの、その勾配は1ではなく、またサンプルによって、相関直線から系統的に外れるものが多いことが分かった。これらのことにより、両方法を組み合わせることで、試料(この場合はセルロース)毎の分子内炭素同位体比分布を計算できる可能性が、明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nakatsuka et al.: "Oxygen and carbon isotopic ratios of tree-ring cellulose in a conifer-hardwood mixed forest in northern Japan"Geochemical Journal. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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