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2004 年度 実績報告書

飽和炭素骨格上の任意の位置の炭素原子の同位体比を測定するための基礎的技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14654094
研究機関北海道大学

研究代表者

中塚 武  北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (60242880)

キーワード炭素同立体比 / 酸素同位体比 / 有機化合物 / セルロース / 熱分解元素分析計 / 分子内同位体比
研究概要

本研究の目的は、「熱分解型の前処理装置」を備えた軽元素用同位体質量分析計において、有機化合物の熱分解により発生するCO分子が、試料中に含まれる水酸基などの含酸素官能基中のOと、それに隣接するCに由来する、という原理に着目した、新しい分子内同位体比分布の測定法の開発にある。今年度は、分子内に複数のOH基やメトキシル基を持つセルロースおよびリグニンに着目し、その炭素同位体比を実際に同装置で測定して、その同位体比を従来の「燃焼型の前処理装置」を備えた質量分析計で測定した炭素同位体比と比べることで、分子内炭素同位体比の測定可能性の検討を続けた。また、その成果を実際の試料に応用するため、北海道内の異なる環境条件からなる日本海側と太平洋側の各所、および中国の乾燥地域など、様々なフィールドで採取された樹木年輪試料から、セルロースやリグニンを抽出し、その炭素同位体比を、酸素・水素同位体比と共に熱分解型および燃焼型の両前処理装置を装備した質量分析計にて測定した。その結果を、気温、降水量などの気候要素の時系列データと相関解析することにより、セルロース等の持つ炭素同位体比が、酸素・水素同位体比と共に、樹木の生息環境の中の様々な気候因子の経年的変動に対応して、規則的に変化していることが明らかとなった。熱分解-同位体質量分析計を用いて、有機分子の炭素・酸素・水素同位体比を計測することにより、このように、さまざまな環境情報が得られることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Oxygen and carbon isotopic ratios of tree-ring cellulose in a conifer-hardwood mixed forest in northern Japan2004

    • 著者名/発表者名
      Nakatsuka et al.
    • 雑誌名

      Geochemical Journal 38

      ページ: 77-88

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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