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2004 年度 実績報告書

同位体化学的アプローチによる二重ベータ崩壊半減期決定

研究課題

研究課題/領域番号 14654098
研究機関広島大学

研究代表者

日高 洋  広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10208770)

キーワードルテニウム / モリブデン / 二重ベータ崩壊 / 同位体 / 質量分析
研究概要

過去2年間の予備実験を踏まえ,本年度はモリブデナイト試料のRu分析を行った。形成年代が古いと思われる,西オーストラリアMt.Mulgine鉱床,およびオーストラリア・クイーンズランド州Osbourne鉱床から採取された二種類のモリブデナイトを試料として用いた。まず二つのモリブデナイトについてRe-Os年代測定法を適用したところ,Mt.Mulgineから(2.902±0.004)×10^9年,Osbourneから(1.051±0.001)×10^9年の形成年代が求められた。次に,Ru分析を行ったところ,両モリブデナイト試料中のRu含有量は極端に低く,Mt.Mulgineにおいては50ppt, Osbourneにおいては22pptであった。モリブデナイト中の初生Ru含有量の低さゆえに,そのRu同位体組成には顕著に^<100>Ru過剰が確認され,特にOsbourneのRu同位体組成に至っては^<100>Ruのみしか検出されず,その他のRu同位体は検出限界以下のレベルであった。以上のデータをもとに,^<100>Mo-^<100>Ru二重ベータ崩壊の半減期を見積もると,Mt.Mulgineから(2.3±0.7)×10^<18>年,Osbourneから(1.9±0.7)×10^<18>年が得られた。異なる2つのモリブデナイトから見積もられたこれら半減期の値は非常に整合性のとれたものである。本研究によって^<100>Moの二重ベータ壊変生成物が地球化学的手法により初めて検出された。本研究結果の詳細はPhysical Review Cにて報告された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] アボガドロ数はどこまで正確に求められているか2005

    • 著者名/発表者名
      日高 洋
    • 雑誌名

      ぶんせき (印刷中)

  • [雑誌論文] 極めて長い半減期をもつ同位体の科学2005

    • 著者名/発表者名
      日高 洋
    • 雑誌名

      化学と教育 (印刷中)

  • [雑誌論文] Determination of ruthenium contents in terrestrial minerals by isotope dilution mass spectrometry after preconcentration via distillation2004

    • 著者名/発表者名
      C.V.Ly, H.Hidaka
    • 雑誌名

      Geochemical Journal 38

      ページ: 485-490

  • [雑誌論文] Geochemical evidence of double beta decay of ^<100>Mo2004

    • 著者名/発表者名
      H.Hidaka, C.V.Ly, K.Suzuki
    • 雑誌名

      Physical Review C 70

      ページ: 025501-1-025501-4

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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