• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

共鳴X線ラマン散乱の狭帯域化を利用した局所構造決定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14654100
研究機関東北大学

研究代表者

宇田川 康夫  東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (00004458)

キーワードX線非弾性散乱 / X線ラマン散乱 / XANES / 高分解能XANES / スピン分極XANES / 寿命幅
研究概要

平成14年度の本科研費でSi(311)湾曲結晶を購入し、X線発光あるいは非弾性(ラマン)散乱の測定可能範囲を拡げると共にそれを第三世代放射光施設である西播磨研究学園都市のSPring-8に持ち込み、BL37,BL49,BL47等のビームラインにおいて以下の実験を行った。その結果はすべて印刷済ないし投稿中である。
1.X線共鳴ラマンスペクトルから寿命幅に制限されない高分解能XANES(X-ray Absorption Near Edge Structure)スペクトルを得ることができることを酸化銅他いくつかの銅化合物について示した。
2.X線共鳴ラマンスペクトルから異なるスピン状態にあるMn原子のXANESが得られることをMnOについて示した。また,Mn2O3,MnO2,KMnO4など酸化数の異なるマンガン化合物についても測定を行い,それぞれから特徴あるスペクトルを得、また励起エネルギー、散乱エネルギーの双方をパラメータとした二次元等高線図を作成した。その意味するところについては現在検討中である。
3.超伝導物質であるNd2-xCexCuO4およびその母物質であるNd2CuO4についてX線非弾性散乱スペクトルを測定し、それから高分解能XANESスペクトルを得、電子状態について考察を行った。
4.以上はすべて第一周期の遷移金属元素の1s→2p遷移に伴う発光についてであったが、希土類元素2p→3d遷移についても同様の手法が適用できることをDy(NO_3)_3について示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Hayashi, Y.Udagawa, W.A.Caliebe, C-C.Kao: "Lifetime-Broadening Removed X-ray Absorption Near Edge Structure by Resonant Inelastic X-ray Scattering Spectroscopy"Chemical Physics Letters. 371. 125 (2003)

  • [文献書誌] H.Hayashi, R.Takeda, Y.Udagawa, T.Nakamura, H.Miyagawa, H.Shoji, S.Nanao, N.Kawamura: "Lifetime-broadening-suppressed / free XANES spectroscopy by high-resolution resonant inelastic x-ray scattering"Physical Review B. 68. 45122 (2003)

  • [文献書誌] H.Hayashi, Y.Udagawa, C-C.Kao: "Resonant and near-resonant inelastic x-ray scattering spectroscopy and lifetime- broadening-removed XANES of CuO"J.Electron Spectrosc.. in press. (2004)

  • [文献書誌] H.Hayashi, M.Kawata, R.Takeda, Y.Udagawa, Y.Watanabe, T.Takano, S.Nanao, N.Kawamura: "A multi-crystal spectrometer with a two-dimensional position-sensitive detector and contour maps of resonant Kβ emission in Mn compounds"J.Electron Spectrosc.. in press. (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi