• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

キラル分子を用いたパリティ対称性破れの検証実験

研究課題

研究課題/領域番号 14654102
研究機関東京工業大学

研究代表者

金森 英人  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00204545)

研究分担者 小林 かおり  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
キーワードキラル分子 / パリティ非保存性 / 超微細相互作用 / 超高分解能分光 / 冷却分子
研究概要

キラル分子の持つパリティ非保存性の実験的検証に対して、位相制御された2本のレーザーを用いた二重共鳴分光実験(最高分解能1mHz)を行なうことを計画した。実験装置面で、これまで位相制御可能な2本のレーザーの差周波帯は光ミキサによって制限されていたが、光コム発生器を二重共鳴分光装置に組み込むことでその帯域を1THzまで広げることを目指した。現在、2本のDFB半導体レーザーを用いてその差周波帯を210GHzまで広げた周波数制御が可能となった。外部共振器を組み込み各レーザーの周波数安定性をますことで、位相まで制御することが可能と考えている。
一方、検証に対して用いるキラル分子として、パリティ分裂に対する理論的研究がなされていること分光学的実験背景があることからS_2Cl_2分子に決定した。しかしながら、これまでS_2Cl_2分子に対する分光測定は低分解能分光実験のみであり、超微細相互作用による僅かなエネルギー分裂の重ね合わせとして観測されていた。観測スペクトルを単一量子準位間の遷移として決定することは、分子のエネルギー準位構造を正確に知る上で重要であり、二重共鳴分光におけるスペクトルに対して僅かなパリティ分裂との混乱を無くす上で必要になる。
そこで、S_2Cl_2分子に対して単一量子準位間の遷移を決定するために、フーリエ変換マイクロ波分光器とミリ波分光器を用いて4-250GHz領域を測定し、超微細分裂を含むS_2Cl_2分子の回転遷移を観測した。観測したスペクトルの解析からいくつかの遷移は単一量子準位間に対応するものと決定することができた。しかし、核四重極子、核スピン-回転、および核スピン-核スピン相互作用の3つを考慮した実効的なハミルトニアンによる通常の解析では、観測されたスペクトルを再現することができず、この原因について検討している。

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi