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2004 年度 実績報告書

近赤外吸収分光法による薄膜・毛管水の分子間水素結合状態の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14654106
研究機関仙台電波工業高等専門学校

研究代表者

鈴木 隆之  仙台電波工業高等専門学校, 教授 (60154548)

キーワード水分子 / クラスタ構造 / 薄膜 / 毛管 / 微小管 / 分子間水素結合 / スペクトル解析 / 近赤外吸収分光法
研究概要

本年度は昨年度までにRefineした測定装置を用い,それに薄膜水に直流電界,直流磁界,および900MHzから1.1GHz程度までの高周波電界を印加できる機構を付加して,それらをそれぞれ単独であるいは組み合わせて水クラスタ構造を測定することとした.これは最近に至り中国の研究者の純水のクラスタ構造のシミュレーション結果から,0.2テスラ程度の比較的弱い直流磁場を純水に印加した場合にもクラスタ構造に変化が生じ,特に正四面体構造のクラスタ種が増加するという報告がなされていること.また,2004年10月にスエーデン,カロリンスカ研究所の研究グループから10年以上の携帯電話の使用により人体の聴覚神経内の癌発生確率の顕著な増加が見られるという報告があり,その一因として高周波の印加により,生体水の水分子クラスタ構造に何らかの影響が生じている可能性があるとの発想によるものである.実験の結果,950MHz付近の周波数の高周波を薄膜水に印加した場合,モノマーの分子種と正四面体構造の分子種が増加する傾向が見られ,さらに面白い結果として印加を中断すると,数分の時定数を持って印加前の各クラスタ分子種の分配比に戻る傾向が見られた.このことは本研究で実験上,大いに支障となってきた純水の測定中の急速な汚染による吸収スペクトルの変化を凌駕して観測された重要な成果であり,現状ではおそらく高周波に対する共振器を構成していないことによる高周波電界の位置的な不安定さからデータのばらつきが大きいが,空洞共振器を構成して測定することにより,より再現性,信頼性に優れた実験データを得ることが出来るものと大いに期待して現在さらに研究を進めており,早急に研究成果をまとめて学術誌に発表するつもりである.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2002 その他

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Hydrogen-bond Studies of thin film water using near-infrared spectroscopy in the 970 nm spectral region2002

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Suzuki
    • 雑誌名

      Applied Surface Science Vol.187

      ページ: 261-265

  • [雑誌論文] Intermolecular Hydrogen-Bonding Studies of Capillary and Thin-Film Water Clusters by Second-Overtone Spectroscopic Analysis of O-H Stretching Vibrations

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Suzuki
    • 雑誌名

      Applied Surface Science (Accepted)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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