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2003 年度 実績報告書

ナノ球殻分子磁性体の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14654132
研究機関名古屋大学

研究代表者

阿波賀 邦夫  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10202772)

研究分担者 藤田 渉  物質科学国際研究センター, 助手 (50292719)
キーワードナノ磁石 / ソフト磁石
研究概要

ナノスケールの物質開拓が盛んに行われている。しかし磁性体を考えると、バルク強磁性体の微小化は、超常磁性的な性質に帰結してしまい、強磁性としての性質を保持しようとするとサブミクロンスケールの物質開拓が必要になる。強磁性体の場合、その内部では磁壁で分けられた磁区が形成されており、その生質は磁性体の形状に著しく依存することが知られている。したがって、サブミクロンスケールで磁性体の形状を制御する研究が、基礎としても応用としても大変重要である。
ポリスチレンのビーズにはさまざまな用途があり、粒径のよく揃ったものが廉価で市販されている。ごく最近、硝酸銅水溶液を尿素で塩基性にすることによって、直径1ミクロン弱のポリスチレンビーズの表面を、塩基性炭酸銅で均一にコートできることが報告されている。本研究では、この手法を用いることによりナノ球殻磁生体を合成した。中心金属としてコバルトを選び、塩基性炭酸コバルトを均一沈殿させた。始物質の濃度などを最適化することによって、均一コーティングの条件を求めるととができた。これを水素気流下でか焼することによって、直径800nm、厚み80nm程度のナノ球殻形状の金属コバルト磁石をつくることができた。粉末X線回折を測定したところ、fcc相であることが分かった。得られた試料は室温でソフト強磁性を示し、その温度以下で磁化曲線の温度変化はほとんどなかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Goto, T.Koshiba, T.Kubo, K.Awaga: "Transverse and longitudinal relaxations of Mn-55 in the molecular cluster magnet Mn_<12>O_<12>(CF_3COO)_<16>(H_2O)_4"Phys.Rev.B. 67. 104408 (2003)

  • [文献書誌] Y.Suzuki, K.Takeda, K.Awaga: "Enhancement of Jahn-Teller isomerism in Mn12Ac under high quasi-hydrostatic pressure"Phys.Rev.B. 67. 132402 (2003)

  • [文献書誌] H.Matsuzaki, W.Fujita, K.Awaga, H.Okamoto: "Photoinduced phase transition in an organic radical crystal with room-temperature optical and magnetic bistability"Phys.Rev.Lett. 91. 017403 (2003)

  • [文献書誌] M.Fujimori, Y Suzuki, H.Yoshikawa, K.Awaga: "Packing Motifs in Porphyrazine Macrocycles Carrying Peripherally-Annulated Thiadiazole Rings : Crystal Growths of Metal-Free and Cobalt Tetrakis(1,2,5-thiadiazole)porphyrazines"Angew.Chem.Int.Ed.. 42. 5780-5786 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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