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2003 年度 実績報告書

中性条件下での光学活性な保護基導入法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14654143
研究機関九州大学

研究代表者

香月 勗  九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (40037271)

キーワード向山アルドール反応 / 不斉炭素-炭素結合形成反応 / 触媒的不斉合成 / サレンクロム錯体 / キラルルイス酸 / シリルジエノールエーテル / 脂肪族アルデヒド / δ-ヒドロキシ-β-ケトエステル
研究概要

中性条件下で、テトラヒドロフリル基の高エナンチオ選択的導入反応を目的として研究を行い初年度でほぼ目的を達成することができた。この研究過程で見出されたサレン錯体のキラルルイス酸としての高い不斉誘起能に着目して新たな炭素・炭素結合生成反応の研究を行った。特に、フランと合成等価体であるシリルジエノールエーテルに着目して、アルデヒドとの向山アルドールについて検討した。その結果、カチオン性サレンクロム錯体を触媒に用いたときに、アルコールとアミンの共存下という特異な反応条件で目的とする向山アルドール反応が円滑に進行し、高エナンチオ選択的にかつ高収率でδ-ヒドロキシ-β-ケトエステルを与えることを見出した。特に、これまで高エナンチオ選択性の達成が困難であった脂肪族アルデヒドの反応で最高で99%eeの高選択性を達成することができた。α,β-不飽和アルデヒド、芳香族アルデヒドの反応も高エナンチオ選択的に進行する。また、基質が他の酸素官能基を有していても反応は円滑に進行する。なお、得られた結果の考察から、アルコールはレトロ向山アルドール反応の抑制、アミンはシリルジエノールエーテルの分解の抑制に貢献していることが明らかとなった。本法は、有用なキラルビルディングブロックであるβ,δ-ジヒドロキシエステルの簡便な合成法を提供するものである。
これらの結果は,纏められてSynlettに報告されている。
現在、今回の知見を基に、シリルシアノ化について検討を加えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yuya Shimada, Yuko Matsuoka, Ryo Irie, Tsutomu Katsuki: "Highly Enantioselective Cr(salen)-Catalyzed Mukaiyama-Aldol Reaction : Construction of δ-Hydroxy-β-keto Ester Derivatives"Synlett. (1). 57-60 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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