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2003 年度 実績報告書

染色体テロメア長を指標とした新しい生態系管理手法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14654159
研究機関独立行政法人国立科学博物館

研究代表者

田中 法生  国立科学博物館, 筑波研究資料センター, 研究官 (10311143)

研究分担者 矢部 徹  独立行政法人国立環境研究所, 生物圏環境研究領域, 研究員 (50300851)
キーワードコカナダモ / テロメア / 移入種
研究概要

移入種であるコカナダモは日本各地に分布し、各生育地によって個体群の繁茂衰退傾向が異なることが報告されている。その原因として各生育地の環境要因の違いが考えられているが、一方で、日本では栄養繁殖のみにて増殖を行っているため、個体の持つ内在性の生育ポテンシャルの違いも一つの要因として挙げることができる。そこで、内在性ポテンシャルの一つの指標となるテロメア長を日本各地より採取したコカナダモで測定し比較することにより、各生育地における個体群の衰退とテロメア長との間に相関があるのかどうかについて検討する。平成15年度はコカナダモからの純度の高いDNA調整法及びテロメア長の測定方法の開発を行った。DNA調整法は、(1)CTAB法、(2)陰イオン交換樹脂による精製 の2つについて検討を行った。その結果、(2)の方法が比較的短時間に質の高いゲノムDNAを調整することができることが明らかになった。次に単離したコカナダモゲノムDNAを用いてテロメア長の測定に最適な制限酵素の同定を行った。4種類の制限酵素(MspI, MvaI, RsaI, Sau3AI)を用いてゲノムDNAを切断し、サザンハイブリダイゼーションを行ったところ,コカナダモのテロメア長の測定にはMvaIが適していることが明らかになった。
昨年度RAPDによって、国内のコカナダモに遺伝的変異があることが明らかになったが、より詳細な変異を検出する手段としてAFLP法の適用を検討した。64組のプライマーを用いた結果、2組のプライマーにおいて安定した変異バンドが得られ、マーカーとして利用が可能であることがわかった。
来年度は、生育ポテンシャルの差異を調査して、上記の遺伝的マーカーと組み合わせることによって、コカナダモ地域個体群の衰退とテロメア長との間の相関について検討する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 冨田千賀子, 矢部徹, 田中法生, 玉置雅紀, 高寺智之, 翠川葉子: "日本各地に侵入したコカナダモにみられる多様性"日本生態学会第50回大会講演要旨集. 117 (2003)

  • [文献書誌] 田中法生, J クオ, 大森雄治, 仲岡雅裕, 相生啓子: "MatK遺伝子によるアマモ属とヘテロゾステラ属の系統関係(英文)"Journal of Plant Research. 116(4). 273-280 (2003)

  • [文献書誌] 田中法生: "水面上花粉によるクロモの受粉2:泡によって浮上する雄花(英文)"Annals of Tsukuba Botanical Garden. 22. 11-13 (2003)

  • [文献書誌] 田中法生: "大槌町源水周辺水域の水生植物植生調査"平成14年度イトヨ保全事業報告書. 66-68 (2003)

  • [文献書誌] 矢部徹, 國井秀伸: "河口域干潟調査 5-5.植物(藻場・塩性湿地を含む)調査"地球環境調査辞典 陸域編. 300-304 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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