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2004 年度 実績報告書

染色体テロメア長を指標とした新しい生態系管理手法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14654159
研究機関独立行政法人国立科学博物館

研究代表者

田中 法生  国立科学博物館, 筑波研究資料センター, 研究官 (10311143)

研究分担者 矢部 徹  国立環境研究所, 生物圏環境研究領域, 研究員 (50300851)
キーワードテロメア / コカナダモ / 移入種
研究概要

移入種であるコカナダモは日本各地に分布し、各生育地によって個体群の繁茂衰退傾向が異なることが報告されている。その原因として各生育地の環境要因の違いが考えられているが、一方で、日本では栄養繁殖のみにて増殖を行っているため、個体の持つ内在性の生育ポテンシャルの違いも一つの要因として挙げることができる。そこで、内在性ポテンシャルの一つの指標となるテロメア長を日本各地より採取したコカナダモで測定し比較することにより、各生育地における個体群の衰退とテロメア長との間に相関があるのかどうかについて検討した。前年度はコカナダモからの純度の高いDNA調整法及びテロメア長の測定方法の開発を行った。平成16年度は、日本各地(15カ所)から採取したコカナダモよりゲノムDNAを調整し、この制限酵素を用いてテロメア長の測定、比較を行った。その結果、尾瀬沼、琵琶湖南湖、米子水鳥公園及び猪苗代湖のサンプルにおけるテロメア長が他の地点に比べて有為に短くなっていることが明らかになった。さらに、テロメア長が短くなっていることが確認された尾瀬沼、琵琶湖南湖、米子水鳥公園について個体再生産性実験を行ったサンプルから主茎及び切れ藻におけるテロメア長の比較を行った。その結果、尾瀬沼のサンプルでは両者のテロメア長に変化は見られなかったが、琵琶湖南湖、米子水鳥公園のサンプルでは主茎で短くなっていたテロメア長が切れ藻では長く回復していることが明らかになった。個体再生産実験の結果、尾瀬沼のサンプルには主茎伸長型個体が主に含まれ、琵琶湖、米子水鳥公園のサンプルは側茎の生産数が多く見られる分枝多産型の繁殖様式を示すことが明らかになった。したがって、本研究により主茎伸張型のサンプルでは切れ藻によるテロメア長の回復は見られず、分枝多産型のサンプルでは切れ藻によりテロメア長の回復が見られる事が示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004 2001

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] トチカガミ科における花粉形態と送粉機構の相関(英文)2004

    • 著者名/発表者名
      田中法生, 上原浩一, 邑田仁
    • 雑誌名

      Journal of Plant Research 117(4)

      ページ: 265-276

  • [雑誌論文] 初夏の谷津干潟における浮遊粒子状物質及び微量重金属濃度の経時変化と物質収支2004

    • 著者名/発表者名
      町田基, 石井裕一, 藤村葉子, 相川正美, 早見友基, 矢内栄二, 瀧和夫, 矢部徹
    • 雑誌名

      日本水環境学会誌 28

      ページ: 15-22

  • [雑誌論文] 東京湾谷津干潟における海水、底質、藻類中の重金属濃度特性(英文)2001

    • 著者名/発表者名
      立本英樹, 石井裕一, 町田基, 相川正美, 藤村葉子, 矢部徹, 瀧和夫
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Water Treatment Biology 40

      ページ: 125-135

  • [図書] 日本生態学会編:「生態学入門」2004

    • 著者名/発表者名
      矢部 徹(共同執筆)
    • 総ページ数
      273
    • 出版者
      東京化学同人
  • [図書] 地球環境調査計測事典 第2巻 陸域編22004

    • 著者名/発表者名
      矢部 徹, 國井秀伸
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      フジテクノシステム

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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