研究概要 |
新規インプリンティング遺伝子FWAの同定 FWA突然変異は花成遅延を引き起こす遺伝子として同定されたが、その遺伝子クローニングの結果、ホメオドメインを持つタンパク質の異所的発現が起こったgain-of-function変異であることが明らかとなっている(Soppe W. et al. Molecular Cell 2000,6:791-802)。この異所的発現に伴って、遺伝子の5領域繰り返し配列のメチル化のレベルが低下している。平成14年度には、この遺伝子が野生型の胚乳において5領域繰り返し配列のメチル化レベルの低下を伴って発現していることを見いだした。またその発現パターンは、母親アレル特異的で父親アレルは発現が見られずインプリンティングを受けていることが明らかとなった。CG維持酵素、非CG酵素、de novoメチレースのそれぞれの変異体met1,cmt3,drmを用いた実験から、FWA遺伝子のインプリンティングにはCG維持酵素Methyltransferase 1の機能が必須であることが明らかとなった。 MEDEAインプリンティング遺伝子を相補するエピジェネティック変異体のスクリーニング 胚乳発生は、メチル化で制御される様々なインプリンティング遺伝子の発現のバランスによって制御されると考えられる。このことを利用して、メチル化異常を引き起こす変異体を突然変異体のインデュサーとして用い、mea変異を相補する変異体を複数単離した。現在戻し交配中であり、平成15年度には相補グループの検定、もしエピジェネティック変異であるならその安定性を検討した後にマッピングを行う。
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