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2002 年度 実績報告書

概日リズムのペースメーカーホルモン・PDFの核内受容体

研究課題

研究課題/領域番号 14654176
研究機関福岡大学

研究代表者

冨永 佳也  福岡大学, 理学部, 教授 (70078591)

研究分担者 下東 康幸  九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00211293)
下東 美樹  福岡大学, 理学部, 助手 (60078590)
キーワード概日リズム / 昆虫 / PDFペプチド / 脳内結合タンパク質 / 受容体
研究概要

生物時計の中で約24時間周期の概日リズムを発振する概日時計は、脳内の時計ニューロンが構成するペースメーカーによって形成される。本研究では、生物時計の分子機構解明を目的として、昆虫生物時計で重要な働きをもつと考えられる神経ペプチド・PDFに対する核内受容体探索を実施する。本年度は、フタホシコオロギの大量飼育を実施するのに並行して、予備的にショウジョウバエについても検討した。[^3H]Nle^<15>-PDFをトレーサーとして用いてショウジョウバエ頭部にホモジネートに対する飽和結合試験を行なったところ、明らかな特異的結合が観測された。スキャッチャード解析の結果、[^3H]Nle^<15>-PDFの受容体に対する解離定数K_Dは35.6nMと見積もられた。この結果より、昆虫脳膜画分にPDF受容体が存在することが初めて明らかにされた。
PDFが、時計ニューロン・細胞核における機能的共役分子として機能している、すなわち、機能的な受容体が存在する可能性を解析するため、時計タンパク質PERIODおよびTIMELESS、CLOCKおよびCYCLEのクローニング、タンパク質発現、生化学的解析を実施した。コオロギPERIODについては全構造の解析に成功し、PDFの機能的共役分子である可能性の高いTIMELESSについても構造解析がほぼ完成した。タンパク質発現のため、まず、ショウジョウバエにおいてCLOCKとCYCLE(1-434)の発現に取組んだ。大腸菌で発現し、これを精製して単品を得たが、時計タンパク質が発現によって単離、精製されたのはこれが初めての例である。表面プラズモン共鳴解析によってCYCLE、CLOCK(1-434)がヘテロダイマーを形成することが確認された。また、興味深いことに、CYCLEがホモダイマーを形成することが示された。しかし、PDFはいずれのタンパク質とも相互作用しないことが判明し、これらは共役分子でないことが確認された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Chuman Y., Tominaga Y., et al.: "cDNA Cloning and Nuclear Localization of the Circadian Neuropeptide Designated as Pigment-Dispersing Factor PDF in the Cricket Gryllus bimaculatus"J.Biochem.. 131(6). 895-903 (2002)

  • [文献書誌] Sato S., Tominaga Y., et al.: "A Circadian Neuropeptide, Pigment-Dispersing Factor-PDF, in the Last Summer Cicada, Meimuna opalifera : cDNA Cloning and Immunopcytochemistry"Zoological Science. 19(8). 821-828 (2002)

  • [文献書誌] Shimohigashia M., Tominaga Y, et al.: "Structural characteristics of PAS domain of insect clock protein PERIODs"Comp.Biochem.Physiol.. 134A(1). 219 (2003)

  • [文献書誌] Shimohigashia M., Tominaga Y, et al.: "A Circadian Neuropeptide, Pigment-Dispersing Factor-PDF, in the Last-Summer Cicada Meimuna opalifera : cDNA Cloning and Immunocytochemistry"Zoological Science. 19(12). 1459 (2002)

  • [文献書誌] Sato S., Tominaga Y., et al.: "Structural Analysis of the PERIOD-PAS Domain Binding Regions in Insect CLock Protein TIMELESS"Peptide Science 2002. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Tokunaga T., Tominaga Y., et al.: "The Structure-Activity Studies of Drosophila FMRFamide-Related Peptides"Peptide Science 2002. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Matsushima A, Tominaga Y., et al.: "Structural Characterization of the House Fly PDF, A Circadian Rhythm Pacemaker Hormone"Peptide Science 2002. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Honnda T., Tominaga Y., et al.: "Localization Profiles of the Precursor Protein Circadian Rhythm Pacemaker Hormone PDF in Gryllus Brain"Peptide Science 2002. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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