研究課題/領域番号 |
14655030
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
寒川 誠二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30323108)
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研究分担者 |
熊谷 慎也 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (70333888)
羽根 一博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50164893)
小柳 光正 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60205531)
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キーワード | プラズマプロセス / 微細加工 / 薄膜堆積 / モニタリング / オンウエハーモニタリング / イオンエネルギー / フォトン / 蓄積電荷量 |
研究概要 |
サブ0.1μm時代を迎え、プラズマを用いたエッチングや薄膜堆積プロセスにおいて原子レベルの緻密な表面反応制御とともに、プロセス揺らぎの完全抑制や再現性の確保が必要不可欠となっている。そのためにはプラズマを乱すことなく、In-situで高感度なモニタリングが必要となってくる。しかしながら、現在用いられている各種プラズマモニタリングは大掛かりであるばかりでなく、プラズマを乱したり、実際のプロセス中では観測できないなどの問題点がある。そこで、私どもは東北大学・ベンチャービジネスラボラトリーにおけるマイクロマシン技術を駆使して、イオンエネルギーアナライザー、フォトン検出器、表面導電性計測器、マイクロ分光器などのセンサーをシリコンウエハー上に作りこみ、in-situで容易にしかも高性能に実プロセスの反応性プラズマをモニタリングするオンウエハーモニタリング技術を確立することを目標として研究を行っている。 (表面導電性計測器) 層間絶縁膜であるシリコン酸化膜に微細コンタクトホールエッチングを形成する工程ではエッチング中に蓄積する電荷量はエッチストップ、マイクロローディングに大きな影響を与え、エッチング形状を決定する上で重要なパラメータとなる。そこで、実際にシリコン酸化膜エッチング後の側壁に流れる電流値をオンウエハー側壁導電性測定器を用いて測定し導電性を見積もった。その結果、エッチング中に堆積したポリマーはイオン衝撃により極表面がグラファイト構造(C=C構造)に変化して導電性が発現することが分かった。 (フォトン検出器) プラズマエッチング中にプラズマから放射される真空紫外光やイオンによりシリコン酸化膜中に発生する電荷(特にホール)を定量的に測定できるフォトン検出器を試作し、各種プラズマ条件とシリコン酸化膜中のホール電流との関係を明らかにすることを試みた。プラズマ照射中にシリコン酸化膜に誘起されるホールは真空紫外光によるものが50%、イオンによるものが50%であることが初めて分かった。また、パルス変調プラズマのOFF中では真空紫外光の照射損傷は完全に抑制されるがイオンによる照射損傷は維持されることが分かった。このときMOSトランジスタを用いたチャージポンピング法によりSi/SiO_2界面の界面順位を測定するとパルス変調プラズマ照射時に界面順位生成が抑制されることが分かった。つまりSi/SiO_2界面の界面順位は真空紫外光により発生することが明らかになった。 (電界阻止型イオンエネルギアナライザ) 実パターン内での入射イオンエネルギー分布の測定を目指してイオンエネルギーアナライザーの検討を行っている。まず、Al/Al_2O_3の積層構造による検討を行った。Al_2O_3膜の形成は陽極酸化を用い、ホウ酸アンモニウムで溶液攪拌なし、定電流法+定電圧法にて製膜した。Al_2O_3膜の耐圧は最適化して5MV/cmであり、最大300V/50nmになることが分かった。今後は4層以上の積層構造を試作し、電子リターディング電界を印加してイオンエネルギー分布の測定を試みる。さらに絶縁膜の耐圧を向上させるためSiO_2膜を用いることを検討し、8層構造のイオンエネルギーアナライザーを試作する。
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