研究概要 |
(i)音響特性の改良 石英ファイバーの可撓性向上のために、アルミニウム被服の代わりにカーボンナノチューブ塗布を実験的に試みたものの、所望の成果は得られなかった。そこで可撓性を生かすために直径70ミクロンのファイバーを用いる超音波伝送を目指し、振動子とファイバーの変換部、ファイバーから生体への放射部を有限要素法によりシミュレーションした。振動子とファイバーの変換部としてはテーパ状線路、照射部としてはファイバーから伝送した超音波を石英棒の中に放射し、更に整合層つきレンズで収束した。ファイバーを伝送した超音波を一様な平面波として水中に放射できることを確認した。 (ii)高次モードによる50〜200MHz帯の超音波伝送 周波数が50MHz帯において石英ファイバー中を伝播するポッシャマー・クリー波のL(0,3)モードを用いて、超音波の伝送に成功した。表面を研磨したファイバーの端面に1mm×1mmの振動子を接着し、石英棒先端からの反射波を確認した。周波数がより高い超音波の伝送を実験的に試みた。この実験は適切な振動子を必要とするため、振動子を開発している他機関の協力を得て、実験を継続中である。 (iii)ファイバーバンドルを用いる数十MHz帯超音波伝送 有限要素法によるシミュレーションにより、6本のファイバーから一定径の石英棒への超音波伝送を検討した。周波数2.5MHzにおいて、直径0.2mmのファイバーで伝送した超音波を、直径2mmの石英棒に伝送した場合、石英棒一様な縦波が伝搬することが分かった。
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