研究課題/領域番号 |
14655061
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川原 浩一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00302175)
|
研究分担者 |
連川 貞弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40227484)
渡辺 忠雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40005327)
|
キーワード | 炭化珪素 / 耐磨耗特性 / 微量添加元素 / 湿度 |
研究概要 |
本研究は、優れた耐磨耗性を有する構造用セラミックス開発のための基礎的知見を得ることを目的として、硬度特性に優れ、耐磨耗性材料として期待されているSiCの粒界微細組織と耐磨耗性、破壊強度との相関を明らかにするとともに、最適粒界微細組織に関する知見を得ることを目的として行われたものである。 住友大阪セメント製の超高純度SiC粉末を出発粉末とし、焼結助剤としてBを0.5mass%添加し、さらに微量添加元素として周期律表においてSiと同一周期で価数の異なるMg、Al、Pのいずれかを0.1〜1mass%添加してホットプレス法(2373k、40MPa、5min)により作製した焼結体を試料として用い、微量元素添加によるSiCの摩耗特性に及ぼす微量添加元素の影響を検討した。ホットプレスSiCの粒界微細組織は添加元素の種類に依存しており、粒径はP添加材、Al添加材、Mg添加材の順に大きくなること、Al添加材やMg添加材では粒界に微量添加元素の偏析が確認され、偏析量は粒界のタイプに依存しており、高エネルギーのランダム粒界に優先的に偏析することが明らかとなった。SiCの摩耗特性に及ぼす添加元素の影響は摩耗環境に著しく依存し、湿度60%の環境では微量添加元素の種類に依らずSiCの摩擦係数が約0.2であるのに対し、湿度30%の比較的ドライな環境下におけるSiCの摩擦係数は微量添加元素の有無あるいは種類に依存しており、無添加材の約0.8に対してMg添加材では約0.4と低下することが明らかとなった。摩耗試験後の表面観察およびSEM/EDX分析の結果、Mg添加材では摩耗痕近辺に紙縒り状のSiO_2が観察され、Mg添加材ではドライ環境下でSiO_2が形成され、形成したSiO_2が潤滑材として働くものと考えられる。
|