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2003 年度 実績報告書

工学的応用展開を見据えた固体間融着機構と熱的制御手法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 14655080
研究機関東京工業大学

研究代表者

佐藤 勲  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10170721)

研究分担者 斉藤 卓志  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20302937)
キーワード融着現象 / 加熱固体面 / 高分子材料 / 界面付着強度 / 変形抵抗 / 粘弾性特性 / 熱収縮差
研究概要

研究計画の最終年度にあたる本年度では、種々の高分子材料と加熱固体面の融着現象を理解するために、対象とする高分子材料をタンパク質などの天然高分子材料を含む熱硬化性材料に広げ、融着挙動と機械的引き剥がし特性に対する材料物性の関係を実験的に評価した。その結果、以下の知見を得た。
(1)加熱固体面に融着した高分子材料の引き剥がし強度は、固体面・高分子材料の界面における付着強度と、高分子材料の変形挙動で決まる変形抵抗の弱い方で決まる。
(2)固体面・高分子材料の界面における付着強度は、基本的には両者の分子間力で決まる。したがって、両者の間の濡れ性が高く、高分子材料が固体面によく馴染み真実接触面積が大きくなるほど付着強度は高くなる。このため、一概に高分子材料の温度が高まり粘度が低下すると付着強度が高まる。
(3)固体面に融着した高分子材料の変形抵抗は、材料の粘弾性物性に支配される。すなわち、材料の粘度(硬さ)が高いときはもちろん、引き剥がし速度が大きく、融着した高分子材料の厚さが小さいほど、変形抵抗が大きくなる。したがって、高分子温度が高いときには、熱可塑性高分子材料においては引き剥がし強度は変形抵抗によって決定されるが、熱硬化性材料では界面付着強度まで剥離せず、引き剥がしにくいことがわかる。
(4)溶融成形への応用などの実用性の観点から、融着後の材料を固体面ごと冷却したときの引き剥がし挙動についても検討を加えた結果、固体面と高分子材料の熱収縮差が大きいほど、引き剥がし力が小さくなることがわかった。これは固体面と高分子材料との熱収縮差によって界面の真実接触面積が減少するためである。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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