研究概要 |
本年度は,採択が10月であったため,当初計画を一部変更して実施した。 まず,大至急で直径2,3,4インチの急速混合型管状火炎バーナを設計・発注した。このとき,バーナ内に形成される火炎の観察やPIV(画像粒子流速計)による流れ場の測定を可能とすべく,石英ガラス窓を設置し,また,均一な予混合火炎形成のための流速条件を幅広く調べるため燃料及び空気の吹き出しスリット幅の異なる複数の噴射部を設計し発注した。また,面積流量計を購入し,空気と燃料(プロパン,メタン)の供給系を整備した。 一方,現有の直径3インチの管状火炎バーナに対し,石英ガラス窓を設置して内部観察ができるように改造し,この3インチバーナとプロパンを燃料として用いて急速混合型予混合燃焼が可能となる空気・プロパンの吹き出し条件を測定した。 その結果,空気を15m/s以上の高速でスリットから吹き出してにして急速混合させると,希薄可燃限界(当量比0.5)から理論混合気(当量比1)の幅広い燃料濃度範囲で,均一な火炎面をもつ管状火炎が形成できることが判明した。また,空気流量を100Nm^3/hと大きくしても,長さ600mmの燃焼管の長手方向に全体にほぼ一様な管状の予混合火炎が形成できることも確認され,実用に供する急速混合型予混合燃焼の可能性が裏付けられた。 これらの結果は,平成15年11月3-5日,つくばで開催される燃焼シンポジウムで発表する予定である。 次年度は,新たに製作された2,3,4インチのバーナを用い,急速混合型予混合燃焼実現のための条件をより広く求め,一般法則を見いだす予定である。
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