研究概要 |
本研究は,大腸等の管状器官に挿入,あるいは内視鏡と共に生体内に送り込み,管内壁や内臓器官に存在する存在するサブmmから数mmオーダの微小癌検出を簡単かつ確実に行うため,ゴム膜を膨らませたバルーン型プローブを生体軟組織に押し込み,その変形を光学的に捉えることで面内の硬さ分布を測定し,微小癌等を検出する手法を提案するものである. 今年度の研究成果は以下の通りである (1)平面状の試料測定のため,ゴム膜に移動量検出用の格子状のパターンを描き,エアで半球状に膨らませるバルーン型プローブの設計・試作を行った. (2)角度センサアレイ出力から反射光を追跡するためのプログラムの前段階として,CCDカメラの出力画像からプローブ上に描かれた格子点の移動を追跡するプログラムを作成した. (3)スポンジ中に直径5mm程度のスチール球やスポンジゴム球などを埋め込み,生体内に硬度の異なる部分が存在する状態を模した試料を作成し,硬度分布測定実験を行った.その結果,バルーン型プローブを押し込んだ際の変形を光学的に捉える手法により模擬試料中の異物の存在を検出できることを示した.また,埋め込み異物の直径の違い,異物の深さまたは硬さを検出できることを示した. (4)スポンジゴム中に直径2mmのスチール球を複数埋め込んだ生体模擬試料を作成し,バルーン型プローブによる異物の検出実験を行ったところ,測定面内の複数異物を独立して同時に検出できること,およびその配置を正確に把握できることを確認した. (5)角度センサアレイ製作の準備として,多素子型フォトダイオードの設計と試作を行った.
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