研究分担者 |
森本 正治 岡山理科大学, 工学部, 教授 (40341078)
中川 昭夫 兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所, 研究第4課, 主任研究員兼課長
武居 直行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70324803)
小柳 健一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30335377)
|
研究概要 |
義足は下肢の切断位置によって,下腿義足,大腿義足,股義足など使用する義足が異なる.義足足部についてはすべての義足使用者が必要とし,体の末端部にあることから軽量である必要があり,また大きな衝撃力を受ける条件下で高信頼性を実現する必要があるため,制御型の足部義足はまだ開発されていない. 近年,磁場によりレオロジー特性を制御できるMR流体の様々なメカトロ機器への応用研究が進んでいる.そこで本研究では,新しいメカトロニクス技術であるMR流体等を用いた高速かつ制御性の良いブレーキおよびこれらのデバイスを組み込むことにより,状況に応じて適しえ特性を実現するインテリジェント義足足継手の開発を目指す. 平成14年度の研究成果を以下に示す. (1)MR流体を用いて,小型かつ軽量で制御性の良いMR流体ブレーキの設計・解析・開発を行った.流体駆動型のものであり,ピストン部に磁気回路を組み込んだコンパクトなものである. (2)ボールネジ駆動のリニアガイドシステムを用いたMR流体ブレーキ試験システムを製作した.この装置により,MR流体ブレーキの基礎特性を静的・動的実験により調べた結果,十分な性能があることが確認できた. (3)ダイレクトドライブモータに義足足継手を取り付け,開発したリニア型MR流体ブレーキを付加することにより,仮想歩行実験装置を構築した.構築した装置において仮想歩行実験を行った結果,MR流体ブレーキへの供給電流を調整することにより,足首部の回転を高速に制御することができた.この制御により,義足が支持脚相から遊脚相に遷移する際に急速に底屈することを防ぎ,爪先が衝突することなく遊脚を前方に振り出すことも可能になる.
|