平成14年度は初年度であるため、全部の資材購入と設計と一部製作に時間をかけた。主に実験装置設計・製作と、その主要部品の有限要素法解析を行い、設計した装置の理論的特性確認を進めた。リニア形磁束ポンプの磁気コア、DCバイアス用超伝導マグネット、三相超伝導電機子巻線の製作を行うと共に、リニア形磁束ポンプ内の要求磁束密度を予測して、設計の正しさを検証した。更に、負荷用超伝導コイルの設計とそのコア製作を進めた。そしてまた、3個の超伝導永久電流スイッチの仕様決定と、巻枠製作を行った。14年度中には、全ての部品製作が終了しなかったが、部材は全部購入し、かつ要素の巻枠のような部品製作は終了した。負荷用コイルの製作、永久電流スイッチの製作、Nbストリップを使った磁束ポンプの要素製作は未完のままであるが、継続して製作が可能な段階まで準備はできた。その結果、全システム製作は未完了のままであるものの、一方それら要素の制作上必要な治具類も製作中であり、近い内に全システムを完成できる手はずを整えている。 なお、本年度の成果として、別紙の通り2件の論文発表を行ったが、これらは設計製作に関わる磁界の有限要素解析結果を紹介したもので、この解析結果は設計の妥当性を理論的に確認する材料として有効であった。 平成15年度には、出来るだけ早い時期に全システム作りを完了し、特性試験に入る予定である。
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