研究課題/領域番号 |
14655126
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
岸野 克巳 上智大学, 理工学部, 教授 (90134824)
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研究分担者 |
菊池 昭彦 上智大学, 理工学部, 助手 (90266073)
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キーワード | ボロンフォスファイド / ガリウムナイトライド / アルミニウムナイトライド / 分子線エピタキシー / タイプII超格子 / 直接遷移 / 発光ダイオード / 半導体レーザ |
研究概要 |
BP/GaN超格子結晶はGaNに格子整合する新しい半導体材料としての可能性を有するが、理論解析および結晶成長に関する報告はなかった。本研究では、光デバイス材料としての可能性を理論的に検証するとともに、分子線エピタキシー(MBE)法によるBP薄膜結晶の成長を試みた。 BPは間接遷移型であり、直接遷移型のGaNとタイプII型のバンド配置を取ると予測される。ここでは、クローニッヒ・ペニーモデルを用いてBP/GaN超格子における各層の層厚比および周期を変えながら遷移型とバンドギャップの関係および遷移確率を理論的に解析した。BP/GaN層厚比を1よりも小さくすると直接遷移型になり、周期を変えることにより遷移波長は300nm(紫外)〜690nm(赤色)の紫外から可視全域をカバーできることがわかった。また、高い遷移確率を得るためには分子層レベルでの層厚制御が必要であることが分かった。 そこでBPの結晶成長に先立ち、MBE法による超薄膜構造の成長技術を確立する必要がある。GaN/AlNヘテロ構造の成長条件の最適化を進め、AlN(11ML)/GaN(4ML)超格子結晶で光通信波長帯における明瞭なサブバンド間吸収を観測し、AlN/GaN二重障壁トンネルダイオードの室温微分負性抵抗を観測して、分子層レベルのヘテロ構造制御を実証することに成功した。 次に、(0001)サファイア基板上にBPの結晶成長を行った。B源には電子ビーム(EB)蒸発源、P源にはバルブドクラッキングセルを用いた。B供給量を一定として、P分子線強度と基板温度を変えてBPの成長を試みたところ、最もP供給量が大きく(P=4.4x10^<-4>Pa)かつ基板温度の低い(T_<sub>=300℃)試料で化学量論組成を満たすBPの形成が確認された。他の試料ではPがほとんど取り込まれなかった。高品質単結晶BP膜の達成に向けて、基板温度を上げつつP/B供給比をさらに増加する必要があるとの知見を得て、今後の研究指針を明らかにした。
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