研究課題/領域番号 |
14655129
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中島 健介 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (70198084)
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研究分担者 |
水柿 義直 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30280887)
陳 健 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (90241588)
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キーワード | 高温超伝導体 / ジョセフソン・プラズマ / 固有ジョセフソン効果 / 光ミキシング |
研究概要 |
酸化物高温超伝導体は、超伝導性を有する結晶面(CuO_2面)が積層した構造を持っているため、超伝導特性には異方性が現れる。CuO_2面に垂直な方向の超伝導電流輸送特性はCuO_2面間のジョセフソン弱接合によって支配されており、そのため、結晶自体を互いに極めて密に結合した多層ジョセフソン接合系と考えることが出来る。本研究では、フォノンやボルテクス格子を介して強結合多層ジョセフソン接合系におけるジョセフソン・プラズマを電磁波(光)によって励起することによって、ジョセフソン接合の強い非線形を利用した光ミキシングの実現を目指している。今年度は、固有ジョセフソン効果の顕著なBi_2Sr_2CaCu_2O_8高温超伝導体の単結晶を微細加工して固有ジョセフソン接合を作製し、接合のボルテクス流特性と、強い外部磁場によって導入された高密度ボルテクス格子の運動に与える高周波電磁場の影響について調査・検討した。その結果、固有ジョセフソン接合に1テスラの外部磁場と約100GHzの高周波を同時に印加したとき、直流電流だけを印加したときに比べてボルテクスの運動が大幅にダンピングされることを見出した。これは、固有ジョセフソン系におけるボルテクスと高周波電磁場の強い相互作用によるものと考えられ、ボルテクス格子の運動を介したジョセフソン・プラズマ励起の可能性を強く示唆している。 この結果をもとに、現在、僅かに波長の異なる1.5μm帯のレーザー光を固有ジョセフソン接合に照射し、光ミキシング効果の発現を実証する実験を進めている。
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