研究課題/領域番号 |
14655137
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
青木 由直 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90001180)
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研究分担者 |
三橋 龍一 北海道工業大学, 助教授 (90254698)
青木 直史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80322832)
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キーワード | 2.X次元絵画 / CG技法 / TIP(Tour Into Picture) / マルチメディア・アート / コンピュータ絵画 |
研究概要 |
近年2次元と3次元の中間に位置する2.X次元のアートと言えるものが出現して来ており、そのような新しいマルチメディア・アート技法を開発し、理論的に体系付けて検討することを研究目的としている。従来TIP(Tour Into Picture)と呼ばれているCG技法が開発されているので、これを参考にして1枚の手書きスケッチから擬似3次元画像を制作して表示する技法の開発を進めた。スケッチや絵画では人が描くため、遠近法での誇張や不正確さがあり、写真のように正確な遠近法を記録するものを基礎にしたTIP技法をそのままスケッチや絵画に持ち込み、擬似3次元化するのは工夫が必要であつ。また、2次元の絵には描かれた背後の情報は欠落しているため、擬似3次元化に際してそれを補完する方法も考える必要がある。本研究ではこれらの工夫として、絵画に描き込まれている絵の要素をポリゴンで代表させ、このポリゴンの位置や傾きを人為的に定めながら情景の構成を行い、これを2次元に再投影しながら、その投影が元の絵画に一番近くなるように3次元構成を行っていく手法を開発している。描かれていない背景については、描かれている部分からの外挿や内挿入を行う方法を採用した。2次元絵画から絵の要素を用いた3次元情景に再構成されているため、視点を変えながらアニメーション化が可能であり、元の絵画が2次元であったものを動く絵としても表現できている。このようにして、人が描いた絵を2次元と3次元の中間の2.X次元絵画として表現する方法を実現しており、2.X次元アートの新しい概念を打ち出し、次年度への技法展開に向けての基礎的技法が開発できた。このような2-X次元の絵画に関する理論的な考察についても予備的なものを検討しており、次年度での展開を計画している。
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