研究概要 |
JRトンネルのコンクリート剥落事故を契機として、サーモグラフィ,レーダー,超音波,.衝撃弾性波,AE試験などによるコンクリートの非破壊検査技術に関する研究が鋭意進められている。これらの非破壊検査技術は、構造材料の欠陥の有無の検知に用いられており、これらを用いても材料の破壊が何時起るかを予測することは難しい。劣化の予測を行うためには、材料が局部的な変状から全体的な劣化に至るまでの状態を動的に全視野ひずみ観察する必要がある。この目的のための非破壊試験としてスペックルパターン干渉(ESPI)に注目した。この計測法を用いることにより、材料片の物理的変化とスペックルパターンの動的変化とを結び付けることができ、材料の硬化及び劣化過程の解明が期待できる。 以上に鑑み、コンクリートの硬化中の強度発現過程や、アルカリ骨材反応・塩害・凍結融解などを原因とするコンクリートの劣化過程における応力状態の全視野的計測を行うことを目的として,平成14年度に、レーザスペックルパターン干渉計測装置を用いて、以下の問題点について検討した。 (1)コンクリートの計測に対する試験体の条件(大きさ,厚さ,表面色など)の把握 (2)モルタル試験体での硬化過程における全視野ひずみ計測 (3)硬化モルタル試験体の圧縮,曲げ,引張り割裂試験での全視野ひずみ測定 上記予備的実験結果より、スペックルパターン干渉計測によりコンクリートの硬化及び劣化過程における全視野ひずみ計測が可能であることを確認するとともに、リアルタイムで載荷と全視野ひずみ計測ができる装置の開発を行った。
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