研究概要 |
人的に炭酸カルシウム結晶を土粒子間に生成させセメンテーションの発達を促すことにより,さんご礁石灰質堆積物の地盤工学的特性を改良することを目的として,セメンテーション付加による石灰質堆積物の力学挙動の解明および堆積物中でのセメンテーション付加手法について換討した。現在までの研究経過は以下のようである。 (1)セメントおよび石膏をセメンテーション剤として用い,それらの混合石灰質土について圧縮性および剪断強度等の力学特性を調べている。強度に及ぼすセメンテーション効果がみられるが,変形挙動はセメンテーション剤により異なり,実地盤におけるセメンテーションによる挙動との対比を行う必要がある。 (2)上水道硬度低減化施設から排出されるペレットについて地盤材料としての物理性,圧縮性,透水性,剪断強度について調べた。 (3)実地盤における石灰質砂礫のセメンテーションの実態を把握するため,さんご礁海浜に分布するビーチロックについてサンプリングを行った。肉眼による観察によると,岩構成砂礫は周辺海浜砂礫と一致しており,今後膠結物質の化学分析,顕微鏡観察,強度試験を実施する。 (4)炭酸カルシウム結晶の析出による力学挙動へのセメンテーション効果については,強度試験用供試体作成装置を整えており,炭酸カルシウム溶存液および他の混合液による結晶析出条件および析出効果について引き続き検討する。 (5)石灰質土と石炭灰混合土について,強度発現に及ぼす混合量,養生期間乾湿効果等の影響を検討する。
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