研究分担者 |
酒井 一彦 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教授 (50153838)
波利井 佐紀 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (30334535)
八木 宏 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (80201820)
藤井 智史 通信総合研究所, 沖縄亜熱帯計測技術センター, 所長
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研究概要 |
1)サンゴ幼生広域輸送・加入過程に関する現地調査:沖縄本島西方海域において2002年6月上旬に現地調査を行い,広域多点プランクトンネット採取によりサンゴ幼生の時空間的な拡散・輸送過程を明らかにした.また,同時に行ったGPS搭載型小型漂流ブイ観測ならびにHFレーダによる広域海洋表層流動観測によって表層粒子輸送パターンと海水流動場の関係を明らかにした.これらによって,慶良間列島からのサンゴ幼生が沖縄本島沿岸の広い範囲に供給されていること,また,その一部は慶良間列島方向に回帰し,もともと慶良間列島周辺に滞留している幼生とともに,慶良間列島自体の維持機構(self-seeding)に寄与している可能性が高いことが明らかにされた. 2)サンゴ幼生の定着・加入過程に関する現地調査と室内実験:上記の調査期間を含む時期に行った定着基盤を用いた加入調査によって,沖縄本島西岸域に供給されたサンゴ幼生が供給先で加入に結びついていることを裏付けるデータを得ることができた.また,サンゴ幼生の海底基盤への定着過程に対する環境ストレスの効果を定量的に明らかにするため,様々な赤土懸濁濃度・堆積量のもとでのサンゴ浮遊幼生の海底基盤への定着量の違いを室内実験によって明らかにした. 3)オニヒトデ幼生の広域動態調査のための判別法開発:現在,慶良間列島周辺や奄美大島など琉球列島内のいくつかの海域で大発生しているオニヒトデの広域動態を明らかにするため,従来不可能であったオニヒトデ幼生判別を可能にするモノクローナル抗体の開発に成功した.また予備的なオニヒトデ幼生採取調査を2002年7月上旬に琉球列島内のいくつかの海域で行った.
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