研究概要 |
初年度はPCM参画型計画事例の調査を行うとともに、事例分析を進めた。 1)PCM参画型計画の事例分析 PCM手法を用いた計画策定事例の分析として,具体的にはマレーシアにおける海外援助プロジェクトにおける市民参加型計画の事例を分析した。 2)計画立案への適用とその有効性分析 以下の2つの対象に対して、PCM手法を適用して有効性を検討した. (1)環境再生型公共事業計画立案における有効性分析(上月) 河川環境・水環境の再生を目的とした計画立案を対象として、PCM手法を適用して有効性を検討した。具体的には徳島県内で検討が進められている河川・水環境改善計画を対象に、流域市民・専門家・NPOの参画を得てPCM手法により実行計画を立案した。施策立案に専門的能力を活かした実効性のある施策立案の可能性が示唆されている。また,集落の環境保全において問題となっている鶏糞の再利用に関してPCM手法を用いたワークショップを開催して,一般者の参加が容易なワークショップの構成について検討を行った. (2)沿岸資源保全計画における有効性分析 沿岸集落の整備プロジェクトを対象にPCM手法の有効性を分析する。具体的には、集落整備計画立案を対象として、役場の職員を対象として地域振興に関する業務担当上の問題点を探るPCMワークショップを開催した.さらに,活性化や沿岸資源保全を目的とした計画立案に対して、漁業関係者・管理者・市民の参加によるPCM手法を用いて計画を立案するための準備を進めている。既得権との調整が必要な計画立案は我が国特有の特性であり、その制約下での手法の有効性確認が評価の視点となる。
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