研究概要 |
新規の3次元電極槽による環境微量有害物質の分解・無害化の可能性について実験的検討を行った。 実験は先ず、Pt/Ti粒状電極を充填した3次元多重電解装置を2系列作製した。この装置を用い、環境微量有害物質であるペンタクロロフェノール(PCP)の回分処理実験を行った。初期PCP濃度は1mg/lとし、通電する場合としない場合について、実験期間中の濃度変化を測定して比較した。通電条件は0〜2mA,印加電圧は1〜7Vの範囲で制御した。また、PCPの分析は、ECDガスクロマトグラフィー及びGC/MSを用いて行った。 その結果、通電によって、PCPは数時間の間に検出限界の0.01mg/l以下まで減少することがわかった。一方、通電しないとPCPは初期濃度とほぼ等しかった。したがって、本研究の電解処理によって有害物質(PCP)が効率良く除去されることがわかった。これは、供試電極がPCPに対して高い親和性を有すること、及び本研究の3次元多重電極槽における広い有効電極面積によるものと推察された。 今後は、低濃度PCP溶液の連続処理実験を行い、通電量と処理速度との関係、中間生成物質の有無、他の有機物質の影響等について実験的検討を行う予定である。
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