研究課題/領域番号 |
14655209
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研究機関 | 大同工業大学 |
研究代表者 |
光田 恵 大同工業大学, 工学部, 助教授 (40308812)
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研究分担者 |
渡邊 慎一 大同工業大学, 工学部, 講師 (00340175)
山中 俊夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80182575)
稲垣 卓造 大同工業大学, 工学部, 教授 (20121379)
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キーワード | におい / 嗅覚 / 複合環境 / 温熱環境 / 色彩 / 温度 / 臭気強度 / 臭気濃度 |
研究概要 |
温熱とにおいの複合影響について検討を行なった。湿度を50%で一定とし、温度を20℃、25℃、30℃の3条件に設定した。においとしては、生活環境中に身近に存在するα-ピネン、トルエン、メチルメルカプタンを用いて、その閾値をもとに物質の濃度を調整し、温度条件別のにおい感覚評価実験を行った。その結果、メチルメルカプタンは腐敗臭でにおいが不快なため、複合影響は認められなかった。しかし、木材臭のα-ピネンでは複合影響が認められた。このことより、複合影響に対してはにおいの質が大きく関わっていることが明らかとなった。そこで、α-ピネンを用いて、臭気濃度条件、温熱条件を増やして、においと温熱の複合影響について、詳細に検討を行なった。その結果、温熱またはにおいによって、快適、または不快の評価が拮抗していれば総合評価は両者の評価に依存するが、一方が快適であり、他方が不快になる場合、快適な評価は排他され、総合評価は不快になることが明らかとなった。また、臭気強度が高い場合、温冷感は排他され、複合影響はみられなかった。臭気濃度60以上の時は温度が変化してもほとんど総合評価に変化はおこらないが、臭気濃度60以下の場合は温度変化により総合評価が変化した。臭気濃度60で温度約28℃以下、約17℃以上のとき、その環境は「不快でない環境」になることが把握された。においと温熱の複合影響が起こる範囲としては、臭気強度2以下、臭気濃度では60以下の領域であることが明らかとなった。 においと色の関係について、検討を行なったところ、生活臭では濃い色、アロマオイルのように芳香では、薄い色が選ばれる傾向があることが明らかとなった。また、温熱条件とにおいと色の関係は、温度が上がるにつれて濃い色が選ばれる傾向にあることが分かった。
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