研究概要 |
1.衛星画像解析:地方核都市である仙台市の市街地について,高解像度衛星画像を入手し雲域除去などの画像処理を施した後、衛星画像の各チャンネルを解析して地表面の土地利用分類を行なった。特に近赤外線チャンネルを用いて都市域の緑被分布を、既設のラスター型地理情報システムを用い解像度約1mとしてデータベース化した。また、一部、水域,コンクリート構造などの人工物・道路を分離した土地利用分類を行なった。以上は緑被が都市域を被覆している夏季の衛星画像を用いて行なった。 2.塊状緑被解析:得られた都市緑被画像に対して,塊状性を表わす指標である「拡散指数」を算出し,分布マップとコンター図を作成した。これら指標は,対象地表をメッシュリングした領域について計算されるが,メッシュサイズの影響を検討した後に,適切なメッシュサイズを漸近的にずらしながら上記指標を算定しその移動平均を取る手法を開発した。これは、ラスター型地理情報システムでは計算できないため、PC用の画像解析計算プログラムを新たに作成した。こうして得られた塊状性の指標の一部を、既設のベクター型の地理情報システムに用途地域などと共に、都市情報の一部として入力しデータベース化した。 3.プロトタイプ解析 高解像度衛星画像は必ずしも日本の地表の全域・全季節帯について雲域の少ない良好な状態で提供されているわけではないことが判った。特に、冬期資料は地域によって無い場合もある。そのため,上記二つの解析は,まず都市緑地と住宅緑地を同時に含むような代表的な都市域を1辺約5kmの領域を選定し,プロトタイプ的に進めた。
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