研究概要 |
本年度は、インターネットにおける参加型デザイン・システムについて、新たな機能を加えるなどしてシステムの改良を行った。本システムは、JAVA, WEBGISとVRMLなどのソフトウェアを用いて開発しており,インターネット上における三次元空間の中で公園のデザインを行うことができ、参加者がデザインして保存した案を発表し、掲示板によってデザインについて協議や合意を行うことができるものである。 平成14年12月〜平成15年1月末まで、本年度に開発したシステムを用いて、金沢市における実際の公園を事例として、大学生を対象とする参加型計画デザインの実験を行った。実験は、金沢市において行われているワークショップによる公園デザイン・プロセスにおいて、参加者のデザイン案を収集する段階に対応させて行った。従来の方法では、ワークショップで合意を行う前に、全員にアンケートを配り、各班の住民の意見やデザイン案を収集している。しかし、この段階では、各班などの合意が困難である。実験の内容は、各班の住民に、デザイン案の提案とデザイン案の合意のためのツールを提供し、各班の合意が可能かどうか、またシステム上にどのように問題があり、どのように改善すべきかなどを検討するものである。 なお、今年度の研究成果は、システムの開発、住民参加の実験などの内容を含んでおり、既に日本都市計画学会、日本建築学会情報利用技術シンポジウム、コンピューターの都市計画と都市管理に関する国際会議(CUPUM)、デザインと決定のための支援システムに関する国際会議(DDSS)において、研究論文の発表を積極的に行った。来年度は、システムの開発により、新たな機能を追加し、事例的実験を行う予定である。
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