北陸3県(富山県・石川県、福井県)で経済産業省の伝統工芸産地指定が得られている10都市[井波市(井波木彫刻)・加賀市(九谷焼)・輪島市(輪島塗り)・山中町(山中漆器)・金沢市(金沢漆器、加賀友禅)・宮崎村(越前焼)・鯖江市(越前漆器)・小浜市(若狭塗)・今立町(越前和紙)・武生市(越前打ち刃物)]を対象に、基礎的なデータベースの作成と、事業所立地動向の分析、まちづくり施策の分析を行った。この結果、下記の研究実績が得られた。 1.各伝統工芸に関するデータベース ・関連事業所及び従業員数の推移(8都市) ・伝統工芸別の生産・販売システムの特性と課題と変遷(10都市) ・後継者育成制度とその実態(4都市) ・広域に見た事業所の立地動向データベース(7都市) 2.事業所と住居の位置関係に着目した事業所形態特性と立地特性 ・北陸で伝統工芸の中心的な役割を担っている漆器産業(輪島、山中、鯖江)を取り上げ、その立地動向と事業所形態、その要因を分析した。 ・3地区における郊外化の実態、職住形態の違いを提示した後、職住関係と立地動向の関係性や地区ごとに特性を示した。 3.まちづくり施策の検討 ・漆器産業地区(輪島、山中、鯖江)で行われているまちづくり施策について比較検討した後、観光施策と販売振興施策を目的とした工房ショップに着目した。井波町(彫刻)における工房ショップの自律的な展開と鯖江市河和田町における工房ショップ(軒下工房)のネットワークによるまちづくりの取り組みの実態を明らかにした。
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