研究課題/領域番号 |
14655245
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
大橋 直樹 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主任研究員 (60251617)
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研究分担者 |
坂口 勲 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, 主任研究員 (20343866)
羽田 肇 独立行政法人物質・材料研究機構, 物質研究所, ディレクター (70354420)
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キーワード | 焼結体模倣構造 / バイクリスタル / セラミックス / 粒界 / バリスター / 界面準位 |
研究概要 |
焼結体模倣構造の典型例として、酸化亜鉛バイクリスタルを取り上げた。2枚の酸化亜鉛単結晶を接合したバイクリスタル素子は、酸化亜鉛セラミックス、特に、酸化亜鉛バリスタセラミックスが持つ高い機能を模倣した素子ととらえられる。このバイクリスタルに対して、添加物を加えることや、熱処理を加えることによって、酸化亜鉛バリスタセラミックスの特徴である高い非線形性をもった電流-電圧特性の再現を目指した。この目標に対して、本研究では、2枚の酸化亜鉛単結晶の間に、ビスマス・ホウ酸塩系ガラスをサンドイッチした構造を焼結体模倣構造として作製した。このガラス相を粒界層模倣物質として利用することで、これまでに報告のある、酸化ビスマス系多結晶体を酸化亜鉛単結晶でサンドイッチした構造に比べて、バイクリスタルの接着強度に向上が見られた。また、同サンドイッチ構造の作製に用いる酸化亜鉛単結晶に予めコバルトを添加した結晶を使用すると、サンドイッチ構造の電流-電圧特性に高い非線形性が付与できることが見出された。さらに、その特性を詳しく調べたところ、得られたサンドイッチ構造における粒界電子状態は酸化亜鉛バリスタセラミックスについて知られているものとよい一致を示し、確かに、焼結体も方向蔵となっていることが確認できた。 さらに、セラミックスに特有の粒界三重点構造などを同サンドイッチ構造に取り込むため、酸化亜鉛単結晶のエッチング実験を行い、酸化亜鉛単結晶表面に、リソグラフィーを用いて凹凸パターンを導入するための基礎的な知見を得た。
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