【カテコール修飾アルコキシドの加水分解・重縮合過程】カテコールで修飾したチタンアルコキシドの反応過程を明らかにするために、カテコールで修飾したチタンイソプロポキシドを加水分解し(水:Ti=1:1、1:2、1:5)、反応過程をNMRで追跡した。^1H NMRからは、加水分解反応が1時間以内に急速に進行していることが明らかとなった。^<13>C NMRの結果から、水:Ti=1:1ではイソプロポキシル基が選択的に加水分解し、全てのカテコレート基はチタンに結合していたことがわかった。水:Ti=1:2ではカテコレート基の加水分解が始まっていたが、水:Ti=1:5でも約50%のカテコレート基がチタンに結合していることがわかった。重縮合反応過程を^<17>O NMRで検討したところ、縮合反応は1時間以内に急速に進行し、その後はほとんど変化していなかった。 【4-アリルカテコール修飾アルコキシドの合成】カテコールにアリル基を導入する方法として、4-アリルベラトロールの加水分解過程を検討した。BBr_3溶液を-80℃で滴下することにより、OMe基からOH基へ変換されたことが^1H NMRの結果から明らかとなり、目的の4-アリルカテコールの合成に成功した。得られた4-アリルカテコールとチタンターシャリーブトキシドの反応(1:1)により赤褐色の固体を得た。^1H NMR、^<13>C NMRや質量分析の結果から、カテコールの場合と同様に2つのターシャリーブトキシドがアルコールとして脱離して、4-アリルカテコレート基が導入されたことが明らかとなった。
|