研究課題
アセチレンブラック(AB)やグラファイトは多くの電池の正極と負極中やスーパーキャパシター中でアルミニウムホイル上の被覆に使われている。ABは疎水性で水で湿らすのは困難であり、懸濁液を作製するのに、ポリビニルアルコール(PVA)のような有機ポリマーを必要とした。我々も今まで10%PVA水溶液を使用して3本ロールで粉砕してきた。本研究では2-プロパノール(IPA)を使用することにより、PVAの使用量を減らすことに成功し、導電性を損なうことなしに、ABの微細化に成功した。電解二酸化マンガンに超微粒炭素溶液(UFC)を混合した乾電池の放電試験を行った。PVA10%のものと、IPAのみで調製したUFCを添加したEMDを充填した試験セルの放電容量とロール回数を示した。粒径の減少により、放電容量が増すことが確認できた。IPAのみで作製したUFCがロール回数1・2回で200nm程度に微細化でき、電池への添加効果も良好であることが明らかになった。近年、電極の電気二重層容量を利用した、スーパーキャパシターが、二次電池の性能に迫る勢いで研究されてきている。その集電電極材料としては安価なアルミニウムがよく用いられているが、表面に絶縁性の不動態皮膜の形成が状況によっては生じ、その性能を大きく劣化させる。表面に酸化皮膜の生成したAl粉末を使用して、UFCまたはABと混合して、導電性向上の検討を行った。ABのままだと、Al粉との混合が均一にならず、IPAで湿らすことにより混合が可能となったが、乾燥するとまた分離した.これに対しUFCでは、均一に混合し、円盤状に加圧成形したあとめ導電率はロール回数の増加とともに増大する傾向が観察されたが、さらなる検討が必要である。
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