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2003 年度 実績報告書

オーステナイト母相の超微細化による新しい変態組織形成の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 14655258
研究機関京都大学

研究代表者

牧 正志  京都大学, 工学研究科, 教授 (10026247)

研究分担者 古原 忠  京都大学, 工学研究科, 助教授 (50221560)
キーワード鉄鋼材料 / 相変態 / 結晶粒径 / 加工熱処理 / 拡散変態 / マルテンサイト変態 / 強化機構
研究概要

本年度は,低合金鋼における超微細粒オーステナイトからの変態組織の特徴を明らかにするため,以下の研究を行った.
(1)超微細オーステナイト粒からのマルテンサイト変態組織
Fe-1.5%Mn-0.2%C合金とそのV, N添加材で,オーステナイト単相域溶体化後の焼入れ焼もどしによりセメンタイトやV(C, N)を微細析出させた後,オーステナイト(+V(C, N))温度域で逆変態させ,粒径約2μmまでの微細オーステナイト粒を得た.これらオーステナイトを再度焼入れることで,ブロック径約1μmの超微細ラスマルテンサイト組織が得られた.また,オーステナイト粒の超微細化に伴い,焼入れままマルテンサイトの強度がブロック径に対してHall-Petch則に従って上昇すること,特定のパケットが優先的に発達する傾向が強くなることを見出した.
(2)超微細オーステナイト粒からのパーライト変態組織
共析炭素鋼とそのV添加材を用い、焼もどしマルテンサイトやパーライトの冷間強加工→逆変態により粒径約2μmまでの超微細オーステナイト粒を得た後、A_1点以下で等温保持によりパーライト変態させた.その結果,オーステナイト粒径が微細化に伴いパーライトのブロック/コロニーサイズは小さくなるが,フェライト変態と同様に粒径変換比が1に近づく傾向が見られた。
(3)超微細オーステナイト粒からの拡散変態の理論的解析
Fe-1.5%Mn-0.2%C合金のγ→α連続冷却変態時における粒径変換比(オーステナイト粒径/フェライト粒径)および共析鋼のパーライト変態における粒径変換比(オーステナイト粒径/コロニーおよびパケット径)についてCahnの粒界核生成理論を拡張して理論的検討を行った結果,オーステナイト粒径が微細になるほど粒径変換比が1に近づき,変態による効果的な微細化には,加速冷却により大きな変態の過冷度を得ることが必要であることが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Saito, T.Furuhara, T.Maki: "Grain Size of Proeutectoid Ferrite Transformed from Fine-grained Austenite in Fe-1.5Mn-0.2C Alloys"Proc.of 2^<nd> International Symposium on Ultrafine Grained Structures (ISGUS). CD-ROM. (2003)

  • [文献書誌] T.Furuhara, S.Morito, T.Maki: "Microstructures Developed by Diffusional Transformations from Fine-Grained Austenite Matrix"Proc.of 2^<nd> International Symposium on Ultrafine Grained Structures (ISGUS). CD-ROM. (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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