研究課題/領域番号 |
14655273
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田原 弘一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20207210)
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研究分担者 |
吉川 孝雄 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00029498)
安藤 康高 足利工業大学, 工学部, 助教授 (60306107)
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キーワード | 電磁加速プラズマ / 超音速プラズマ / 反応性プラズマ / 熱力学的非平衡 / ジルコニア / 窒化チタン / プラズマ診断 |
研究概要 |
非平衡状態の電磁加速プラズマジェット発生装置は通常の熱プラズマジェット装置と同様の同軸電極構造をもち、キロアンペアオーダーの放電電流とそれに伴う自己誘起磁場の相互作用によって作動ガスが電磁力学的に加速されるので、他のプラズマ熱源に比べて高速で高温・高密度の大面積プラズマを生成することができる。そのため、各種のプラズマ材料プロセシングへの応用が期待される。本研究では、セラミックス溶射用に2種類の電磁加速プラズマジェット装置を開発した。一つは陰極周りにムライトもしくはジルコニア製のカバーを備えた装置であり、もう一つはチタニウム製の陰極を備えたものである。前者ではアルゴンガスを用いた大電流アーク放電による陰極周りのセラミックスカバーの溶融によりムライトもしくはジルコニアの溶射が行われる。後者では窒素ガスを用いて、溶融された陰極のチタン粒子と窒素プラズマの化学反応により窒化チタンが生成される。2種類の装置を用いたセラミックス成膜実験の結果、緻密で、一様な硬い皮膜の製作に成功した。窒化チタンの反応性溶射では、そのプラズマ特性を明らかにするためにプラズマ診断測定と流れ場の数値計算が行われた。プラズマ発生装置から大量の窒素原子と窒素イオンが高速で噴出していることが推定された。電子温度と電子数密度は減圧プラズマ溶射のそれらに比べて基板の位置で高く維持されていた。窒素イオン、チタン原子、チタン一価イオン、チタン二価イオンを含む化学的に活性なプラズマが高品質の窒化チタン皮膜の生成に寄与していると推測された。こうして、電磁加速プラズマ発生装置がセラミックス溶射のために高い性能をもっていることがわかった。
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