研究課題/領域番号 |
14655292
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三浦 孝一 京都大学, 工学研究科, 教授 (40111942)
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研究分担者 |
中川 浩行 京都大学, 工学研究科, 助手 (40263115)
河瀬 元明 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60231271)
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キーワード | 蛍光体 / リン酸ランタン / 微粒子 / 反応晶析 / 単分散 / 管型反応器 |
研究概要 |
リン酸水溶液と硝酸ランタン水溶液を原料に用い、賦活剤を含まないリン酸ランタン微粒子の合成実験を行った。実験には、内径1〜10mm、長さ0.3〜10mのPTFE、シリコーン、ガラス製の管型反応器を用いた。原料の硝酸ランタン水溶液とリン酸水溶液を1〜100cm^3/minの流量で、反応器入口に各々供給した。原料濃度は1〜1000mol/m^3、反応温度は0〜80℃とした。反応器からの流出液に含まれる粒子をメンブレンフィルターで濾別し、乾燥後、微粒子収量を測定し、収率を求めた。捕集した微粒子は、電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて観察し、粒径分布を測定した。粒子の構成元素比はエネルギー分散型X線分光器(EDS)を用いて測定し、結晶形はX線回折装置(XRD)を用いて同定した。 得られた粒子はXRDパターンならびに元素組成からLaPO_4であることが確認できた。粒子は球形で、粒径は1μm前後であった。粒径分布は非常にシャープであり、幾何標準偏差は1.1〜1.3であった。 高周波誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)で濾液を分析し、液中の総ランタン濃度を測定したところ、ランタンの減少量と粒子の生成量とは化学量論的に収支があっていた。種々の反応管長で実験を行い、反応速度解析を行ったところ、粒子生成速度はランタン濃度に対して2次であった。 反応温度が低いほど、単分散な粒子が得られた。反応液のpHが1よりも小さいときには、粒子は球形にならず、pHが2よりも大きいときには非常に微細な粒子となった。pH1.4〜1.7の範囲で、大粒径で球形の粒子が得られた。製品粒子の性状にもっとも影響を与える因子は、pHであった。
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