磁性微粒子を用いて標識し、それを超高感度SQUID (Superconducting Quantum Interference Device)磁気センサーを用いて、DNA生体高分子を検出する方法を検討した。 これまでに2重螺旋DNAを基板に固定することに成功していたので、今年度は一本鎖DNAをガラス基板上に固定し、実際に相補的な一本鎖DNAをハイブリダイズさせることを検討した。まず、Fe3O4微粒子マーカーを付与した一本鎖サンプルDNAの濃度を変えて5サンプル用意した.次に相補的一本鎖プローブDNAをアルデハイドコートされたガラス基板に固定した。これらをハイブリダイズさせて、未反応のサンプルDNAを洗浄除去後にSQUID磁気センサシステムで信号を計測した。その結果、一定濃度以上のサンプルDNAを加えても信号が増加せず、飽和傾向を示すことがわかった。これによつて、微粒子マーカー付きサンプルDNAとプローブDNAがハイブリダイズしていることを確認することができた。今後、相補的でないネガティブデータの取得、および、温度依存性を検討していく必要がある。今年度得られた成果についてはJJAPレターに既に投稿済みである。
|