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2002 年度 実績報告書

電界イオン化に基づくDNAの塩基配列の超高速決定法

研究課題

研究課題/領域番号 14655307
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

桂 進司  豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (10260598)

研究分担者 高島 和則  豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (60303707)
水野 彰  豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20144199)
キーワード電界イオン顕微鏡 / FIM / FEM / グロビュール
研究概要

1.DNA一分子操作技術の開発
FIM観察用試料を調製するためには、DNAを伸張させた状態で曲率半径の小さな先端を持った電極上に固定する必要がある。本研究ではDNAのグロビュールーランダムコイル相転移を利用してせん断応力に強いグロビュール状態から徐々に脱グロビュール化させることで損傷無く伸張されたDNA試料を調製する方法を開発した。
電解研磨法により尖鋭化させた針電極と平板電極からなる系で周波数1MHz、電圧10Vの正弦波交流を印加し、グロビュール化した酵母染色体DNAを吸着させた。その後、カバーガラス上に滴下したサンプル溶液のバッファ交換を行った。針電極先端に吸着させたグロビュールDNAの片端がカバーガラス上に吸着した後にカバーガラスを顕微鏡下で移動させることによってDNAが引き出され、カバーガラス上に固定されることがわかった.このことは、本手法を用いることで、片端を金属電極に固定したDNAを伸張させることができることを示しており、適切な方法で基板からの剥離を行うことでFIM観察用試料として用いることが可能であることを示唆している。
2.FIM観察装置の構築
FIM観察装置の構築を行った。試料には最大7kV程度の正極性および負極性の高電圧を印加することがで、FIMならびにFEM像を観察することができる構造とした。
予備的実験としてタングステンの先端の観察を行った。0.5N-KOHを用いた電界研磨によって尖鋭化した直径100□mのタングステン線を試料とし、Heを映像ガスとして、FIM観察を行った。その結果、表面に付着した酸化物等によると思われる不安定な像が観察された。これらのFIM像は印加電圧値によって若千の変化を示したが、同一電圧に対してはほぼ同様の結果が得られた。一方、試料に負極性の高電圧を印加しFEM像を観測した後、再びFIM像を観察したところ、FEM観察以前のFIM像に見られたものとは異なる像が得られた。このことは本測定系において、正極性の高電圧を用いたFIMでは表面の状態を保存したまま観察することが可能であり、負極性の電圧を印加することで表面状態を変化させることが可能であることを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 古牧卓也, 中野道彦, 黒田忠司, 小松旬, 松浦俊一, 高島和則, 内田裕久, 桂進司, 水野彰: "FIMを用いたDNA配列決定の基礎的検討"静電気学会講演論文集'02. 299-300 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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