研究概要 |
直接メタノール型燃料電池は、マイクロエレクトロニクス用の移動電源としてその実用化が待望されている。実用化のためには、高価で資源の少ない白金に代わる代替触媒の開発が必要である。しかし、安価で資源的に有利な酸化物系電極触媒の研究は少ない。直接メタノール型燃料電池実用化の波及効果を考えると、安価で環境に優しい遷移金属酸化物触媒の可能性を極限まで追求することが必要である。触媒の設計指針が確立されていない現状では、探索のアプローチとしては、ある程度「絨毯爆撃」的にならざるを得ない。そのための手法として「コンビナトリアル」手法がある。これは、可能性の高い領域を組織的にスクリーニングする手法であり、これまでに医薬品の開発に大きな成果を上げている。しかし、直接メタノール型燃料電池における酸化物系電極触媒をターゲットとした研究は行われていない。このコンビナトリアル手法を用いることにより、酸化物系電極触媒の迅速開発が可能となり、触媒設計指針を得ることを目的とする。本年度は、ターゲットを、3d遷移金属酸化物に絞り、金もしくはシリコンを基板として用い、エレクトロスプレー法による薄膜作成条件の確立を行った。3d金属としてMn, Fe, Co, Ni, Cuの3d遷移金属の硝酸塩を出発物質として用い、エタノールに溶解したものをスプレー源とし、150℃程度に保った基板との間に6kVの直流電圧を印加しエレクトロスプレーを行うことにより薄膜が得られることを確認した。
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