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2002 年度 実績報告書

分子ナノワイヤーの設計と構築

研究課題

研究課題/領域番号 14655321
研究機関九州大学

研究代表者

吉澤 一成  九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (30273486)

キーワード分子ナノワイヤー / 電気伝導 / ランダウアモデル / 導電性高分子 / 分子軌道
研究概要

本研究では、分子ナノワイヤーの設計と構築を目指して、以下のような研究を行った。
(1)3環式非古典チオフェンを構成ユニットに含むいくつかの導電性高分子について拡張ヒュッケル法に基づくバンド計算を行った。その結果、室温でも熱によって電子励起の起こる可能性のある導電性高分子を見いだすことができた。
(2)金(111)表面とチオレート分子からなる自己集積単分子膜に関して、チオレート分子の望ましい配向について軌道相互作用の観点から考察した。その結果、ホローサイトと呼ばれる対称性の高い位置への配位が最も望ましいことが分かった。
(3)単一分子からなる分子ワイヤーのコンダクタンスLandauerの理論を用いて調べ、コンダクタンスと分子軌道の間に興味深い関係を見いだすことに成功した。ここではナノグラファイトシートのコンダクタンスを計算した。フェルミ準位での透過確率の大きさを比べるとグラファイトシートへの接続の仕方によりそのコンダクタンスが大きく変動することが分かった。効果的な量子輸送は以下の二つの条件を満たしている場合に得られる。(I)MO係数がHOMOとLUMOにおいて大きい2原子を導線でつなぐ。(II)その2原子上のHOMO係数の積の符号がLUMO係数の積の符号と異なっている。
これらの結果をまとめた論文については既に発表済みである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Tachibana: "Small Bandgap Polymers Involving Tricyclic Nonclassical Thiophene as a Building Block"J.Phys.Chem.B. 106. 3548-3556 (2002)

  • [文献書誌] T.Kato: "Electron-Phonon Coupling in Negatively Charged Acene-and Phenanthrene-Edge Type Hydrocarbon Crystals"J.Chem.Phys.. 116. 3420-3429 (2002)

  • [文献書誌] M.Kondo: "Possible Photoinduced Spin Transitions in Bis(phenyl-methylenyl)[2.2] paracyclophanes"J.Phys.Chem.A. 106. 7915-7920 (2002)

  • [文献書誌] M.Tachibana: "Sulfur-Gold Orbital Interactions which Determine the Structure of Alkanethiolate/Au(III) SAM Systems"J.Phys.Chem.B. 106. 12727-12736 (2002)

  • [文献書誌] T.Tada: "Quantum Transport Effects in Nanosized Graphite Sheets"Chem Phys Chem. 3. 1035-1037 (2002)

  • [文献書誌] T.Tada: "単一分子の量子輸送過程とフロンティア軌道"化学. 58・2. 56-57 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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