研究課題/領域番号 |
14655324
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
逢坂 哲弥 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20097249)
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研究分担者 |
丹羽 大介 早稲田大学, 理工学部, 助手 (60350485)
本間 敬之 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (80238823)
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キーワード | バイオセンシングデバイス / 電界効果トランジスタ / 単分子テンプレート / 生体分子固定 |
研究概要 |
個々の生体分子の認識および生体反応に基づく分子レベルの反応解析等を照準とした超高感度な集積化マイクロバイオセンシングデバイスの構築を目的として、申請者らは、電極部において構造規制された機能性有機単分子膜を生体分子固定用のテンプレート表面として活用し、そこでの生体反応に伴う表面電位変化を電界効果トランジスタで直接的に電気信号検出する新規センシングテバイスの構築に関する研究を推進している。本年度は、このようなデバイスをオンチップで作製するために必要となる「単分子テンプレート」すなわち、異なる種類の官能基を有する単分子膜を各電極上に位置選択的に形成させた生体物質固定場、の構築を行った。テンプレートはSiO2/Si基板上に修飾分子として、アルキル系、フッ化アルキル系、アミノ基末端を有するシラン分子を用いて形成した。その修飾表面のバルクでのpH応答特性ついて検討を行ったところ、アミノ修飾表面は良好なpH応答性を示し、一方で、アルキル系、フッ化アルキル系被覆基板はpH応答性を示さないことが確認された。従って、官能基の違いによって表面のpH特性が大きく変化させることが可能となり、アミノ基修飾表面はイオン感応性トランジスタの電極部として、アルキル系、フッ化アルキル系分子修飾表面は参照用トランジスタとして使用できる可能性を見出した。さらに、半導体プロセスを駆使した単分子膜のパターニング手法を確立し、形成された「単分子テンプレート」をマルチチャンネルpH応答電極として用いたところ、単分子膜の末端官能基の差異によって、各パターン部においてそれぞれ所望の応答が得られた。現在では、上記テンプレート上への生体物質の固定化、単分子のナノパターニングプロセスの開発、および溶液耐性を有する半導体トランジスタの開発も併せて進行中である。
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