研究概要 |
水中におけるマイクロバブルの挙動を顕微鏡写真に撮影することに成功した.しかもよく観察すると,一定の大きさ以下のマイクロバブルは、時間とともに小さくなることを見出した.直径37μmのマイクロバブルは、350秒で目視できなくなった. 4℃,25℃,42℃の27dm^3の水道水を一定時間バブリングし,昼夜密閉した容器中で放置した後,その密度を25℃に調節した恒温槽中で測定したところ,25℃と42℃でバブリングした水はバブリングした時間とともに密度と粘度は減少したが,4℃の水道水のバブリングにおいては密度の変化を示さなかった.42℃より25℃でバブリングした水のほうが密度の減少が大きくなった.42℃でバブリング後,一昼夜放置したことによって,バブリング水は42℃から室温まで戻る.その室温に戻る過程において,42℃でバブリングした水は一昼夜放置すると,バブリングにより切断された水分子同士の水素結合が,温度変化に伴う熱的影響で再び形成されるために,バブリング直後の水と比べてクラスターは大きくなってしまうと考えられる.25℃,42℃でバブリングした水は,一昼夜放置しても密度がバブリングした時間とともに減少傾向を示した.このことより,バブリングで壊れ小さくなった水のクラスターの構造は,時間が経過してもある程度維持されていると考えられる.つまり,マイクロバブルのバブリングによる水の構造変化は,温度変化による熱的影響を除けば,ほぼ不可逆的に起こっていることがわかった.
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