研究課題/領域番号 |
14655333
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
西口 郁三 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20026347)
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研究分担者 |
鈴木 秋弘 長岡工業高等専門学校, 助教授 (60179190)
粟野 一志 長岡工業高等専門学校, 教授 (50110143)
前川 博史 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70283041)
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キーワード | カリックス[4]アレーン / 包接化合物 / ホスフィンオキシド / ホスホン酸エステル類 / 金属抽出能 / アニオン性金属骨格 |
研究概要 |
本研究では安価なフェノール誘導体とホルムアルデヒドの縮合反応により容易に合成できるカリックス[4]アレーンに医薬品、難燃材、遷移金属触媒の配位子、生理活性物質に含まれるリン原子を位置選択的に導入し、その新規な機能性や特性を開拓することを目的としている。リン系官能基の導入反応としてはカリックス[4]アレーンのパラ位を臭素化し、Arbuzov反応を行うことにより、容易にホスフィンオキシドまたはホスホン酸エステル類を合成した。生成したカリックス[4]アレーン類の^1H及び^<31>P NMR構造解析を行った結果、フェノール水酸基をメチル基以外のアルキル基に変換したものではそのコンフォーメーションを保持し、対応するコーン型またはパーシャルコーン型の立体のカリックス[4]アレーンが得られることを見いだした。さらに得られたリン系置換基を有するカリックス[4]アレーン類をクロロホルム-水二層系による金属抽出能を調べた結果、金属カチオン抽出能は観測されなかったが、アニオン性金属の高選択的な抽出能があることを新たに見いだした。また、ホスフィンオキシド誘導体には抽出能があるが、ホスホネート型構造には全く抽出能はなく、対照的な結果が得られた。一方で、トリフェニルホスフィンオキシドには抽出力はなく、この機能性はカリックス[4]アレーン構造が必須であり、n-プロピルエーテル構造が最も良い抽出能を持つことも判明した。最も良く抽出される金属構造は塩化第二鉄と塩化第一スズで、アニオン性金属骨格を有することから、四塩化鉄アニオン及び三塩化スズアニオンとしてプロトン化された4つのホスフィンオキシドと1:1または1:2の比で配位して抽出されてくるものと考えられる。
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