研究概要 |
本申請者らは,二つのチミン塩基認識部位をフェロセンで連結した人工受容体の開発に成功している.この人工受容体は強力にチミン-チミンジヌクレオチドを認識し,認識の結果,フェロセン部位の電子的な摂動が誘起されることを確認している.これらの成果を基に,今年度は以下の項目を実施した. 1 オリゴヌクレオチドの5'末端に連結できるよう人工受容体の構造を改変した. 2 改変した人工受容体の核酸塩基認識能とそれに伴う電子的な摂動を確認した. 3 電気化学特性を有した人工受容体をオリゴヌクレオチドの5'末端に連結する方法を検討した. 4 1〜3の問題点を抽出し,さらに人工受容体の構造を改変し最適化を図った. 5 修飾したオリゴヌクレオチドの3'末端にチオール基を結合させた. 6 そのオリゴヌクレオチドを,チオール基の部位で金電極に固定化させる方法を検討した. 7 金電極表面の様子を調べるためAFM(原子間力顕微鏡)を用いて検討を行った. 8 7の結果に基づいて,金電極表面の改質(分子レベルでの平たん性の確保)を検討中である. 9 金電極の固定化を最適化させるために,種々の条件を検討中である.
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