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2002 年度 実績報告書

地球生命におけるL-アミノ酸選択機構の解明とその光学分割への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14655341
研究機関奈良女子大学

研究代表者

小城 勝相  奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (10108988)

キーワード光学分割 / 不斉誘導 / アミノ酸 / 化学進化
研究概要

まずD,L-Asnを再結晶すると、自然に総体として一方の対掌体が多くなる、即ち、対掌体過剰(e.e.)が起こることを見いだした。L-体のe.e.は-60%から89%であった。このように再結晶だけで簡単にAsnは光学分割できた。11回の再結晶でL-体が出たのは10回、D-体過剰が1回であった。この再結晶で生成する1つ1つの結晶のe.e.を調べると、ほとんどがどちらかの対掌体で構成されるので、D体はD体同士、L体はL体同士で結晶し、その相対的な量比が全体のe.e.を決定することがわかった。
次にD,L-Asn存在下、D,L-フェニルアラニン(Phe)の再結晶を行った。得られた結晶のe.e.を調べると、AsnとPheのe.e.は良好な直線関係を示した。D,L-Pheだけを再結晶してもラセミ体の結晶しかでてこないので、AsnはPheの光学分割を起こすことが明らかになった。本実験は均一溶液中でラセミ体のアミノ酸が、共存するラセミ体のアミノ酸の光学分割を行うことを示した最初の例である。この場合もD-AsnはD-Pheを、L-AsnはL-Pheを優先的に取り込んで結晶化することがわかった。
同様の実験をAsnとトリプトファン(TrP)で行うと、やはりAsnはTrpの光学分割を引き起こしL-Asnのe.e.とL-TrPのe.e.も直線関係を示した。もちろんD,L-Trpだけを再結晶してもラセミ体しか得られない。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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