研究課題/領域番号 |
14655344
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
金子 隆司 新潟大学, 工学部, 助手 (90272856)
|
研究分担者 |
寺口 昌宏 新潟大学, 工学部, 講師 (30334650)
青木 俊樹 新潟大学, 工学部, 教授 (80212372)
|
キーワード | π共役高分子 / 光学活性らせん構造 / ポリラジカル / 磁気光学効果 / ポリ(フェニルアセチレン) / 磁気的相互作用 / 高分子磁性体 / 磁気不斉二色性 |
研究概要 |
本研究では、ポリラジカルとキラルポリマーを組み合わせた、新物質系としてのキラルポリラジカルの合成法、物性および機能について探索することを目的としている。具体的には、以下の手順で実施している。(1)置換アセチレンモノマーを中心に、モノマーの合成手順および重合法法を検討することで、キラルポリラジカルの合成法を確立する。(2)キラルポリラジカルの磁気的性質、光学的性質および磁気光学効果について知見を得る。 本年度は、トリフェニルアミン骨格を有するキラルフェニルアセチレンモノマーの重合およびキラル触媒を用いたアキラルフェニルアセチレンモノマーの重合を実施し、キラルポリラジカルの合成法について以下のように基礎的な知見を得た (1)キラルモノマーを用いたキラルポリラジカルの合成 光学活性なジメチルピナニルシリル基を有するトリフェニルアミン置換アセチレンモノマーを合成し、これを重合して光学活性ならせん構造を有する置換ポリアセチレンを合成した。このポリマーにヨウ素やDDQをわずかにドーピングするだけでCDスペクトルが大きく変化し、主鎖のらせん構造あるいは、側鎖の励起子相互作用に影響を与えていることが明らかとなった。しかしながら、ESRからはそのポリラジカルを検出できず、シリル基の脱離などにより、ラジカルが不安定であることが示唆された。 (2)キラル触媒を用いたキラルポリラジカルの合成 水素結合可能な水酸基を2つ有するアキラルな置換アセチレンモノマー、3-ヒドロキシメチル-5-(N-t-ブチル-N-ヒドロキシアミノ)フェニルアセチレンを合成した。これを光学活性なフェニルエチルアミンおよびロジウム錯体から調製されるキラル触媒を用いて重合し、ポリマーを得ることに成功した。また、このモノマーに二酸化鉛を作用させ、ラジカルモノマーを合成し、これも同様の触媒系で重合し、ポリマーを得た。
|