研究課題
本研究課題における超小型プラズマスラスターは、マイクロ波を励起源としたミリメートルサイズの軸対称表面波励起マイクロプラズマ源と、該プラズマを真空中に放出して推力を得るマイクロノズルから成る.本年度は、昨年度試作したマイクロプラズマ源(内径1.5mm,長さ10mm,同軸型)とマイクロノズル(オリフィス径0.4mm)を改良し、アルゴンガスと窒素ガスを用いて、微小領域でのマイクロ波励起マイクロプラズマの生成・維持,および微小オリフィスを通しての真空中へのプラズマの超音速自由膨張を実証した。さらに、発光分光と静電プローブ計測によりプラズマ特性を把握し、昨年度完成したモデル数値解析に基づき推進特性を推算した。なお、マイクロ波は周波数が2と4GHz(<10W)、誘電体は比誘電率が6と12-25を用い、ガス流量は50-500sccm、プラズマ源圧力10kPaで実験を行った。実験の結果、(i)マイクロ波周波数と誘電体比誘電率が高いほど発光強度は強くプラズマ密度は高い、(ii)マイクロ波投入電力2-10wにおいて、オリフィス下流のプラズマ自由噴流におけるプラズマ密度は10^<11>-10^<13>cm^<-3>程度(プラズマ源では1桁程度高いと推測)、(iii)窒素添加により見積もった窒素分子の回転温度は1100-1500K程度、であることがわかった。回転温度をガス温度とみなして、モデル解析結果にもとづくと、期待できる推力は1.5mN、比推力は70s程度であり、あと少し改良の必要はあるが、本超小型プラズマスラスターが小型衛星(<10kg)の軌道・姿勢制御に適用できることが基本的に実証された。また、マイクロノズルと微小推力測定器を新たに設計し、今後の研究発展に備えた。
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Thin Solid Films (in press)
Proceedings of the 24th International Symposium. on Space Technology and Science, Miyazaki, Japan, June 2004
ページ: ISTS Paper 2004-o-1-08v
Proceedings of the 40th Joint Propulsion Conference, Fort Lauderdale, Florida, July, 2004
ページ: AIAA Paper 2004-3621
Bulletin of the American Physical Society Vol.49,No.5
ページ: 40